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Re: *叶恋華* +実話+ 114話更新! ( No.470 )
日時: 2011/04/29 23:44
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 4u1FJvtb)
参照: あたしだけ見ててって! 視線逸らさないで(by.SweetDevil

第百十九話『新たな決意』


ずるいずるいずるいずるい。


君の思わせぶりは、ずるい。


だけど、嫌いになんかなれる訳がない。


辛くても、悲しくても——。


片想い、上等。









「……げ、」


十二月二十九日、十六時四十四分。
昨日の長い夜から、一夜。
爆睡していた私は、慌ててベットから飛び起きた。


携帯を開けば、受信が五件。
そのうちの一件は和美、四件は由良だった。
わぁわぁわぁ。


from.由良
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メール遅れてごめん><

出かけてた0Д0
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ちゃっかり、嘘をついてしまった。
だってきっと、こんな時間まで寝てたって言ったら引く……よね?
私は夜型人間で、朝が弱い。
はっきり言って体内時計は狂ってるし、昼夜逆転している。
生活習慣、見直さなきゃ駄目ですね。


from.由良
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おかえりだすね♪

あの…
いいずらいんだけど…
壱が…
『今はちょっと付き合えない…』
だそうです…;
部活とかいろいろ忙しいからだと思うよ;
あんまり気にするでない♪
まだ振られたに入らないよ!
告白してないんだから!!
うむ♪
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「……あ゛?」


私は携帯画面に向かって、呟いた。
これが寝起きサプライズ……いや、もっとも最悪な寝起きメール。
私は何回か目を擦り、携帯の画面を見た。


『今はちょっと付き合えない…』
今はちょっと付き合えない?
今は?
ちょっと?
付き合えない?


「……え」


思考回路がぼんやり繋がってきたところで、私は目を見開いた。
『今は』って、どういうこと?
『ちょっと付き合えない』なら、完璧否定されてるのはわかる。
だけど、『今は』って何!!


部活で忙しい?
……まぁ、確かにあの告白未遂の日も部活がなんとかって——……。
って、なんか全部さ、『部活』でまとめられてない!?


「……」


壱はやっぱり、ずるい。
あれだけ昨日、期待させておいて。
振るなら、どうせもっとはっきりとした理由で振ってほしかった。
曖昧が、一番嫌いだよ。
『今は』って、何。
頑張れば、付き合えるって事?
私、馬鹿なんだから期待しちゃうって。


由良は『振られたに入らない』って言うけど——。
これって、振られたよね?
曖昧な振られ方だけど、振られたよね?


だけど、不思議と涙は出なかった。
とにかく、疑問でいっぱいだった。
どうしても、『今は』って言葉が気になる。


壱は、少しでも私の事を考えてくれてるの?
そんな訳ないよね。
曖昧な言葉で私を期待させるなんて、本当壱は悪魔だ。


だけど、悪魔な君でも嫌いになれない。
『付き合えない』って言われても、好きだ。
簡単に消える訳ないじゃん、この想い。


from.依麻
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そっか^^
聞いてくれてありがとう♪

やっぱ壱は部活が忙しいんだね0Д0
『今は』って事は、まだチャンスあるかな……?
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やっぱ、心のどこかで期待しちゃう私。
傷つくのはわかってるけど——。
それ以上に、壱が好きだ。


from.由良
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いえいえー♪
元気出せよーっ!!
水城殿!!↑

あの人部活一筋だからね(爆)w
十分あると思うぞよ^^*
部活引退してから、もう一回アタックしてみたら!?
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「……部活引退……」


由良の言葉で、私は完全に開き直った。
……そうだよ、部活引退してから直接告白すればいいんだ。
まだメールだし、由良が聞いただけだし。
振られちゃったけど、やっぱ諦められない。
部活引退まで時間あるし、距離を置きつつアピールして——。
ちゃんと自分の口で告白する前に、自分磨きを頑張ろう!!
これぞ、『押したら引く』戦法ってやつ?


——上等だ。
告白玉砕失恋回数記録、八回。
いや、これで九回目?
失恋黒歴史、なめんなよ。
だてに修羅場を潜り抜けてきたわけじゃない。
十四年間、上手くいった恋なんてしたことない。
それでも——……、


片想い上等、やってやんよ。






目標は、部活引退シーズンまでに自分を磨くこと。
好きな人は、珠紀壱。
絶対絶対、振り向かせてやる!!


水城依麻、十四歳。只今絶賛中学二年生満喫中。
新たな決意が一つ、増えました。