コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華* +実話+ 119話更新! ( No.473 )
- 日時: 2011/04/30 01:03
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 4u1FJvtb)
- 参照: あたしだけ見ててって! 視線逸らさないで(by.SweetDevil
第百二十話『12月31日』
もうすぐで、2010年が終わる。
色々あった、一年でした。
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十二月三十一日——。
現在の時刻、二十三時三十分。
その頃の私は、慌ててあけおめメールを作っていた。
「刹那の人にも送らなきゃいけないし、光葉にも……。あぁぁ、文章変えなきゃだな……」
なんでこんなギリギリになって作っているのかというと。
今年の正月は、家で母親と二人きり。
お金がないので、刹那に居た時みたいに親戚が集まって騒いだり、おいしいものを食べたりも出来ない。
だけどその分誰にも邪魔されず、テレビを見ながらのんびり過ごしていた。
それが災いして、こうなってるという……訳である。
「……」
こっちの学校に転校してきて、約五か月。
刹那に居た時、そして五か月の間で色々な事があった。
中学二年生になって、転校が決まって。
怜緒に最後の告白をして、振られて。
刹那の皆と別れを告げて。
新しい学校に来て、由良と愛奈と優と友達になって。
笑顔が可愛くて明るい、叶汰に恋をして。
由良と好きな人が被って。
クールな壱が気になり始めて。
授業中の壱の天然発言を見てから、そのギャップに惹かれて。
完璧に壱が好きになって。
壱とメアド交換して、ほんのちょっとだけどメールして。
由良と優と喧嘩して。
壱に嫌われたくなくて、謝罪メールを送って。
由良と優と仲直りして。
毎日平和だけれど、壱の些細な言動で嬉しくなって悲しくなって——……。
この年も、思い返せばとにかく色々な事があった。
去年ほどではないけど、人生初の事が多かった。
人生初の駅のホームからの電話告白。
人生初の転校。
人生初の離婚。
人生初の一目惚れ。
人生初の好きな人とメアド交換。
中学一年生の時点で、私はもう普通の子よりは色々な事を知っているかと思っていた。
だけど、違った。
まだまだ私には、初めての事がいっぱいある。
これからも、きっとそう。
私は未熟だし、これからどんどん成長していかなきゃいけない。
今よりもっと自分を磨いて——。
決意した目標に向かって、頑張りたい。
≪——あけましておめでとうございます!!≫
「え!?」
あけおめメールを作りながら色々考えてると、テレビから鐘の音と賑やかな声が聞こえてきた。
……あらま、年が明けちゃった……。
「あ、あけましておめでとう! お母さんっ」
「あー、あけましておめでと〜」
「今年もよろしく!」
「ことよろ」
お母さんは、あけおめメールを送信しながらそう笑った。
わ、私もメール一斉送信しなきゃ!!
刹那の皆、光葉中の皆、他中の友達——。
それぞれ文章を変えたメールを、一気に送った。
「……ふぅ」
実感もなくあっという間に年も明けちゃったけど——。
初めまして、2011年。
私も中学三年生、受験生になります。
水城依麻、恋愛も勉強も友情も頑張っちゃうぞ!
新しい年は、どんな事が起こるのかな?
とりあえず、今年はいい年になるといいな!
——……今年こそは、ね。