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Re: *叶恋華* +実話+ 130話更新! ( No.500 )
日時: 2011/05/05 20:59
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: LJWVvIF8)
参照: 痛みを嫌うより 生きた証を残したい(by.ラセンナワタシ

第百三十二話『君の恋事情』


「……はぁっ、間に合った……」


八時五分。
なんとか間に合った——。
光葉中学校は八時十五分までに学校に着かないと遅刻になる。
刹那の時は八時半だったのに……。
そう心の中で愚痴っていると、


「……っ!!」


壱と、会った。
うぉぉ、朝に会うの凄い久しぶり……っ!!
そう思いながらそれぞれ靴のある場所へ向かう。
あ、意外に壱と靴箱近いのね……。
壱はかっこいい赤い靴を入れて、私の横を通り過ぎる。
そして友達と一緒に、教室へ向かっていった。


たったこれだけなのに、ドキドキする。
学校に着いて最初に壱を見れるなんて、嬉しい。
しかもあの夢を見た後だと——……。


変に、意識してしまう。


**


「壱、付き合ってるんでしょ?」


授業中、壱の前の席の男子が言った。
付き合ってる——……?
一瞬、夢の事を思い出して反応してしまった。
い、いけないいけない!


「は? そのことは……——」


壱は何やら小声で、男子と話している。
男子が何か壱の耳元で呟いた後、


「え、それ、どういう意味」


壱がそう言った。


「付き合ってるんじゃないの?」


男子はしつこく、壱に言ってきた。
壱の恋愛模様もなんか謎のままだしなぁ……。
壱、彼女居るのかな。
居たとしたら、彼女誰。
そう思いながら耳を傾けると、


「——知らね」


壱が少し力強い口調で、そう言い放った。
え、知らないって……。
でもなんかでもなんか、でもなんか!!
急にムキになって、否定する訳もなく知らないって言うことは——。


彼 女 居 そ う


——夢、ある意味正夢だった?
いや違うよ、私と壱じゃなくて。
私が妄想して、勝手に夢の中では『壱の彼女は私』ってなってるけど実際は——……。
今日見た夢、壱と壱の彼女さんのやり取りだったりして。
わお、これって超能力!? ……な訳ないよね。


でも本当に、壱に彼女が居たらどうしよう!!
夢以上に危険な行為してたらどうしよう!!
まずいぞ、これはまずい。


そう思ってると、壱の斜め後ろの席の犬ちゃんが身を乗り出してこう言った。


「壱彼女いるんでしょ?」
「だぁから、いないって」
「嘘だー。何学年?」


犬ちゃああああん!!
私は心の中で絶叫した。
いや、でも今『いない』って壱言ったよね!?
いやいやいやでも油断できない、壱が嘘ついてる可能性もあるし。


すると、壱の前の席の男子もまたその話に食いついてきた。


「ホモ中でしょ」


ホ モ 中 !?
出たホモ中!! 壱関連でこの中学の名前を聞くのは何回目になるのか——……。
やっぱ、ホモ中に彼女いるのかな。
私が転校してくる前に壱に告白した子と、まだ続いてたりして……あはは。


私は絶望的な気持ちになりながら、壱たちの会話を聞いていた。