コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華* +実話+ 132話更新! ( No.509 )
- 日時: 2011/05/08 01:51
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: vVNipMyd)
- 参照: 前髪だけストパーかけたいんだが、上手くいくかな(は
第百三十四話『バレンタイン計画』
そして、本題に戻りまして——。
「……優はどうなの? あげるの?」
「もっちろん!! 門倉にあげるよ〜」
「おぉぉ!!」
さっすが、優は門倉一途。
盛大な拍手をすると、優は少し照れくさそうに笑ってこう言った。
「……実は、もうあげる約束したんだよねぇ……」
「早っ!! え、まじ!?」
「うん……。そしたら門倉も『宮田のチョコ待ってる』って……」
うきょおおお!!!
羨ましすぎる、優!!
でも優は、一度門倉に振られている。
その当時、門倉は他中に彼女が居たから——。
なんだよ、皆して他中ってさ!!
「絶対いけるっしょ、それ!! もー、やばいよそれっ!」
「依麻興奮しすぎ」
優は笑みを浮かべ、少しだけ頬を赤く染めた。
私的に、優はいけると思う。
振られたときに門倉は彼女持ちだったけど、今の門倉はフリー。
しかもそんな事を言ってくるということは、絶対告白された時から優を意識しているはずだ。
よっぽどの思わせぶり野郎じゃなければ、絶対脈アリだってこれ!!
「頑張って!! めっちゃ応援してる!!」
「ありがとう〜。……でもね、依麻。問題が一つ」
「問題? なんぞや」
「門倉にどうやって渡せばいいの!?」
優がそう言って自分の頭をぐちゃぐちゃにし始めた。
ちょ、優さん……っ。
でもそうだよね、悩む気持ちはわかる。
直接渡すのはもちろんだけど、どこで渡すか。
どうやって呼び出すか。
しかも優の場合、門倉と違うクラスな訳で——……。
「門倉と私、話した事ねぇよ!! メールでしかやり取りしないよ!! あぁもう、どうしよう……。もういっそ、渡さないでおこうかな……」
「なっ!? あげる約束したからには、門倉も楽しみにしてると思うよ!?」
「あぁぁぁぁ〜〜〜」
優、今までにないくらいの悩みっぷりだ。
私は少し驚きながらも、優を押さえつける。
ていうかまず、授業中だからね私たち。
「一緒に考えよう、優!! バレンタインという偉大なる厄介な行事を、ハッピーに過ごそうぜ!!」
「え、依麻ぁ……」
私は机を軽く叩き、そう言った。
うむ、バレンタインは恋する女の子の為の行事!!
これで恋する女の子が幸せになれないなんて、おかしい!!
だから精一杯、出来る限りの事を尽くそう!!
私は優の肩を掴み、こう言った。
「私も壱に渡すよ、チョコ!! だから一緒に頑張ろう!!」
……とは言ったものの——……。
「……はぁ……」
果たして、本当に渡せるのか。
勢いでついああ言っちゃったけど——。
いやでも、渡したいとは思ってた。
そりゃあ、やっぱ壱が好きだし……。
いや、だけどもなぁ——……。
なんだか、気が重い。
「——えーっまっちゃんっ!!」
溜息をついて考えていると、遠くの席に居る由良に呼ばれた。
私は慌てて振り向き、由良を見る。
あわ、さりげなく壱が視界に入ってしまう……!!
「今日私掃除だからさー、依麻掃除待ってて」
「あぁ、おっけいっ!!」
こんな気分で一人で帰るのも嫌だし、由良の掃除が終わるまで待って由良と一緒に帰ろう。
今日はどうやら亜夢先輩と帰らないみたいだしね。
そう思いながら由良に向かって親指を立てると、
「壱、今日の掃除手伝って〜」
「いいぜ〜」
由良の隣の席の原田くんも、壱に向かってそう言った。
……こ、これはなんていうミラクル?
原田くん、タイミングよすぎでしょ。
いやでもでも、放課後に壱をいつも以上に長く見れる……!!
放課後居残り、大歓迎だぁ!!
この時、壱は放課後に部活関係で呼び出されて、結局掃除を手伝えなくなるという事を私はまだ知らずにいた。