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- Re: *叶恋華* +実話+ ( No.53 )
- 日時: 2011/01/29 21:58
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 3JMHQnkb)
- 参照: まーぐなーむ(・3・)プップー
第十一話『友情と愛情』
『依麻はさぁ、友情と愛情、どっちをとる?』
ずいぶん前、綾に聞かれた質問。
『えー? どっちも』
『どっちもじゃだめ! 依麻、ちゃんと選んでよ?』
『まじかい……うーん』
深く、考えなかった。
だってその時の自分は、友情と愛情の事で迷うなんて思わなかったから。
『時と場合によるんじゃない?』
嗚呼。
こんなこと言ってた、昔の自分に戻りたい。
「……はぁ」
憂鬱だ。
憂鬱すぎるよ、この関係。
……何、三角関係?
でも二人、両想いだよね?
私が叶汰を好きなだけだよね?
「……いびつな三角だ……」
てか、もはや三角じゃないよね。
まぁ、そんなツッコミは置いといて。
「依麻、聞いて聞いて! 叶汰がさぁ〜……」
由良が口を開けば、話題はいつも叶汰。
私も怜緒が好きだった時そうだったから、気持ちはわかる。
由良は、よっぽど叶汰が好きなんだなぁ……って。
「……」
かと言って、自分の気持ちを押さえ付けて聞くのは少しキツイ。
でも由良が悪い訳じゃないし、叶汰も悪くない。
——つくづく、私の運の悪さには呆れ返る。
でも!
由良には絶対気付かれないように。
普段通りに過ごそう、うん!
普通なら、恋敵が出来たなら正々堂々と戦うのが理想的。
しかし、それが無理な状況。
両想いの二人の仲を壊せないし、由良との関係も壊したくない。
ましては、私は転校生という立場。
でしゃばりすぎると、集団攻撃を喰らう。
中一の時みたいに、同じことを繰り返してしまう。
まして、クラスで私と仲良くしてくれるのは由良グループしかいないし。
かおんは……、うん。
グループ作っちゃってるしね。
だから、自分の気持ちを抑えなきゃ。
今なら、まだ間に合う。
頑張れ、自分。
笑顔で、由来の話を聞けるように。
顔や行動に出ないように。
嘘をつくのは少し胸が痛いけど。
大丈夫、まだ耐えられる——。
私は必死に自分を励まして、由良の話を聞いていた。