コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華* +実話+ ( No.560 )
- 日時: 2011/05/28 01:18
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: b5YHse7e)
- 参照: 傍に居たいよね、うん。
第百五十四話『好きだからこその、』
勇気を出してみようか。
後悔を忘れるくらいの、勇気を。
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その日の夜——。
私は携帯を握りしめたまま、考えていた。
後悔のかたまりのまま、終わるのは嫌だ。
私は、君に少しでも近づきたい。
『伝言伝い』の関係を、脱出したい。
「……」
静かな部屋で、私はゆっくりとメールの文章を打った。
from.依麻
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チョコ受け取ってくれてありがとう^^
特別掃除あったから、
由良に渡してもらう形になっちゃったけど……;
というか今更遅いけど、生チョコ食べれる体質だった?
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話が続きやすいよう、文末を「?」にした。
これでも、壱から返事が返ってこないかもしれない。
だけど、それでもいい。
直接渡せなかった分、気持ちが伝わってくれれば——。
それで、いい。
私は高鳴る心拍数の中、送信ボタンを押した。
「……」
きっと、いや絶対。
壱から返事は、来ないと思う。
私は壱が好きだけど、壱は私の事を好きじゃない。
私の片想い。
好きなのに、うまくいかない。
壱は優香ちゃんみたいな、女の子が好きなんだ。
私は優香ちゃんみたいな、女の子じゃない。
私は、優香ちゃんじゃない。
チョコも自分で渡せない位、弱虫だ。
そんな私なんかに、壱が振り向くはずがない。
だけど、好き。
接点がなくても、好き。
メールの返信が返ってこないとわかっていても、好きなんだ。
壱に、私の今の気持ちが伝わればいい。
『好き』という気持ちが伝われば、それでいい。
だけど——……。
一回、距離を置こう。
このままいけば、私はまた前みたいな事を繰り返しそうだ。
もう壱に迷惑かけるのは、嫌だ。
辛いけれど、また時間はある。
距離を、置こう。
メールを送ってしばらくたっても、鳴らない携帯。
きっと、これが答え。
好きだからこそ、私は距離を置くのです。