コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華* +実話+ ( No.563 )
- 日時: 2011/05/28 19:34
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: tVNOFy45)
- 参照: 傍に居たいよね、うん。
第五十六話『なんとも言えない気持ち』
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「ふぅ……」
体育が終了し、ノートでうちわ代わりにしながら教室へ入った。
見れば、まだ男子は体育が終わっていないみたいで、女子しか教室に居ない。
優と愛奈は廊下へ行ったので、私は教室に居る由良の元へ向かった。
「また新しくプリクラ撮ったさ〜」
「え? まじ? 亜夢先輩と?」
「うん!」
「見せてー」
私は由良の筆箱を開け、貼ってあるプリクラを見た。
笑顔の由良と、亜夢先輩。
「ラブラブですな〜!」
「いやいや〜」
「えー、ほのも由良の筆箱見たい!」
「私にも見せてー」
由良を冷やかしていると、近くに居たほのかと亜矢未ちゃんが寄ってきた。
由良は少し照れながら筆箱を渡すと、二人はまじまじと筆箱を見始める。
そして、
「ラブラブじゃん〜!! いいなぁ〜!」
「ひゅ〜!」
二人も、由良のラブラブを冷やかし始めた。
その瞬間に、男子が次々と教室に入ってくる。
犬ちゃんたちと話しながら入ってくる壱が視界に入り、なんとも言えない気持ちになった。
「……由良、あっついね〜!! ひゅーひゅー!」
そのなんとも言えない気持ちを紛らわす為、大声で由良を冷やかした。
しかし、それが裏目に出たのか——。
「そういう依麻だっているよね?」
「……え?」
ほのかが、軽く笑みを浮かべてそう言った。
私は目を丸くし、ほのかを見る。
私、誰とも付き合ってませんが……。
「付き合ってるんでしょ?」
「誰と?」
「ん」
そう言ってほのかは、こちらに背中を向けている壱を指差した。
私の心臓は一気に飛び跳ねる。
私は慌てて、手を横に振った。
「ち、違うよ、付き合ってないし!」
「まったまたぁ、嘘ついて! だって見ちゃったもーん」
「何が!?」
見ちゃったって、え、何が!?
私は目を丸くしながらほのかを見るが、ほのかは笑みを浮かべたまま黙っている。
気になるけど、深入りしちゃいけない。
そう思いながら席に戻ろうとした瞬間、
「みかみいあさのリアクションって、うけるよね」
「え?」
健吾にそう言われた。
『いじりがいがある』
森野に言われた、その言葉。
頭の中に過り、私は少しだけ懐かしく感じた。
こんな言葉、森野に言われたっけなぁ……。
森野にこの言葉を眩しい笑顔で言われて、一時期森野の事を好きになったんだっけ。
やっぱり健吾と森野、似てるよ。
なんだかあの日に戻ったみたいで、懐かしく思えた。
しかし、
「お笑い芸人の、出○みたいで」
「……」
その健吾の一言で、一瞬にして現実に戻された。