コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華* +実話+ ( No.588 )
- 日時: 2011/06/10 00:39
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: JZOkdH3f)
- 参照: 君がくれた勇気は おっくせんまんおっくせんまんっ←
第百六十八話『偶然≒HAPPY!!』
放課後。
「——依麻、保健室着いてきて〜」
「おけおけ」
由良にそう言われた為、保健室に行くことになった。
由良いわく、保健委員の仕事で寄らなければいけないらしい。
こう見えて由良は、保健委員だ。サボリがちだけど。
由良がサボる度に、相方の原田くんはのそのそと一人で仕事をしている。
少しだけ原田くんに同情しながらも、私はその姿を傍観していた。
だけど、今日は由良が仕事をするらしい。
原田くん、よかったね。
そう思いながら、保健室に向かった。
「——失礼しましたー」
由良の用事を済ませ、保健室から出る。
その際に何故かテンションが上がった私は、
「あひょあひょ」
奇声を上げながら出てしまった。
それと同時に、壱が私の前を通り過ぎる。
……what!?
「え、え」
慌てて壱の姿を確認すると、壱は一瞬こっちを見た。
もしかして……聞かれたかな、あひょあひょって。
絶対聞かれたよね、奇声上げると同時に通り過ぎて行ったから——。
は、恥ずかしい……っ!!
私は顔を抑えながら、階段まで猛ダッシュした。
しかし、
「依麻、ちょい待って!! これ、保健室に置いてくるの忘れてた」
「え」
はい、再び保健室行き〜。
私は駆け足で由良に近づいた。
今度は奇声上げないようにしなくちゃ、うん。
そう思いながら廊下を歩いていると、前から壱が来た。
「……っ」
な、なんかドキドキする……。
思わず下を向くが、壱は視界の隅に入る。
そのまますれ違い、柔らかな風が頬に当たった。
その際に、壱がこっちをチラ見した気が……した。
壱の顔、ちゃんと見ればよかった……!!
そんな後悔をしながらも、私は保健室へ。
そしてすれ違った壱は、保健室とは反対の方向へ向かっていった。
「——失礼しましたー」
本日二回目の言葉。
同じことを繰り返さないよう、今度は奇声を上げないで保健室を出た。
そしてそのまま帰ろうと玄関の方へ向かおうとした時、
「おうっ!?」
思わず、奇声を発してしまった。
発さずにはいられないだろう。
視界には、掲示してある部活表を見てる壱が居るのだから——。
「……」
放課後になり、まさかの三度目の再会。
これは……きっと、偶然だ。
偶然にしても、今日はツイてるかも。
——明日も、いいことありますように。
そんな事を願いながら、壱の背中を見た。