コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華* +実話+ ( No.641 )
- 日時: 2011/07/10 02:24
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: smQzDzj0)
- 参照: ふぁっきゅー☆←
第百九十話『意味深な予感』
その後も、やっぱり優と由良の様子はおかしかった。
私が何かした覚えもなかったし、昨日までは普通に接してくれてた二人だから余計に疑問が積もる。
優や由良だけじゃなく、廊下でまなとすれ違ったと思えば、鋭い目つきで見られた。
まなと愛奈と由良と優で集まっていたら、必ず私一人になる。
愛奈と私以外の三人は、何やらこそこそ話してるし……。
とても、嫌な感じであった。
**
更に時間が経ち、六時間目。
今日の六時間目は、学年レクが入っていた。
学年レクとは、二年生全体で体育館に集まってゲームをするという……。
お母さんたちが考えてくれた計画である。
その学年レクの最中でも、由良達は冷たかった。
話しかけてもそっけない態度しか返ってこなかったし、何しろ目線が冷い。
それでも、何処かで私は勘違いだと思いたかったのだろう。
「ねぇねぇ、こっちのグループって何グループ?」
「由良と優は何に出るの?」
「ぞうきんレースとか白熱だよね」
冷たくされても、ひたすら二人に対して会話を持ちかけていた。
二人の反応は薄かったので、周りから見れば私が一人で喋ってる風に見える。
だけど、
「ぞうきんレース、私が一番最初とか嫌なんだけど〜! 依麻、代わってよ〜」
「恥ずかしいよね、これ!」
終盤辺りから、由良と優と普通に話せるようになっていた。
だから、安心してた。ほんの少しだけ。
全部、私の勘違いだと思っていた。
全部、嘘だと思っていた。
この時間だけ、そう思ってしまった。
**
学年レクが終わり、教室に戻る。
その際に、由良が伸びをしながら大きな声で言った。
「あの人のお母さん、まじ美人〜!」
由良は笑顔で優の方を見て、同意を求める。
優も頷き、「本当美人だよね」と笑みを零した。
「……誰?」
二人と話せるようになっていた私は、なんとなく聞いてしまった。
なんとなく、嫌な予感がしたんだ。
もう嫌な予感なんて、全部勘違いだったと思ってたのに——……。
「美人のお母さんって、誰?」
「ん? ……あー、ちょっとね、あの人」
「あの人?」
「あの人のお母さんだよ」
由良は意味深の笑みを浮かべ、自分の席へ戻った。
……あの人のお母さん——……?
忘れかけてた嫌な予感が、少しずつ甦る。
今日の学年レク——……。
確か壱のお母さん、来てたよね……?
もしかして、壱——のこと?
……いや、まさかね……。
私は無理矢理頭の中からその考えを消し、帰りの準備をした。