コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: _._Courage、【実話】 1-10* ( No.46 )
- 日時: 2011/02/02 15:31
- 名前: 芽流. ◆Runa.IU3P6 (ID: 5RAlDtaS)
- 参照: ※ じゃっぱ-ん.
■ story 1-9* ■
「 はい皆さん気をつけて帰ってくださいねー 」
「 さようなら ! 」
日直の挨拶に続けてうち達は帰りの挨拶をした。
どうしよう…誰と帰ろうかな?
今までは良太を帰っていたけど紗枝ちゃんのためだし。
あ、菜々瀬ちゃんと帰ろうかな。同じ地区だし。
「 菜々瀬ちゃーん ! 一緒に帰らない ? 」
「 あ、なっつちゃん。いいよ、帰ろう ! 」
そう言ってうちは菜々瀬ちゃんと校舎を出ようとした。
そこに、
「 菜摘 ? 帰んないの ? 」
良太—…。
帰るよ。帰りたいよ。
、良太と。
「 …今日は菜々瀬ちゃんと帰る。だから良太は…恭介君とでも帰ってよ。 」
「 え ? 」
「 ———っ、じゃあねっ ! 」
ばいばい良太。
ばいばいあの頃の自分。
、もう戻って来ないのかな。
大好きだったのに。
あんなに。
「 なっつちゃん ? 帰ろうよー 」
「 えっ、あ、うん 」
気づけば目の前に誰もいなかった。
良太…帰ったんだ。
その時雪が降ってきた。
まだ11月なのに…通りでこの頃寒いと思った。
「 あ、雪だねっ 」
「 う、うん 」
思い出せば良太と出会ったのは2年前の11月。丁度今日ぐらいの日だった。
あの日も雪が降ってた、幼稚園年中の時。
うちは足を骨折していて、皆が雪で遊んでいるところも、見るだけでつまらなかった。
そんなうちの隣にはいつも紗枝ちゃんが居てくれた。紗枝ちゃんも外で遊びたいだろうに、ずっとそばにいてくれた。
それだけで十分で、うちは寂しくなんてなかった。
でもある日、紗枝ちゃんが風邪で休んでしまったんだ。
皆はいつも通り外で遊んでいた。うちは見ていた。
良太も皆と遊んでいた。
隣に紗枝ちゃんが居ない。
寂しかった。
うちは腕に顔を伏せていた。
『 …菜摘ちゃん ? 』
『 え ? 』
顔を上げたら目の前に良太が居た。息を切らしていたから、きっと走ってきたんだろう。
うちはたまっていた涙をぬぐって言った。
『 ど…どうして戻ってきたの ? 遊ばないの ? 』
そう尋ねると良太はほほえんでこう言った。
『 …一緒に居たら温かいよ。 』
( …え? )
その言葉の意味は分からなかったけど良太は隣に居てくれた。
温かかった。寂しくなかった。
その日からうちは今日までずっと良太を思ってきた。
大好き。大好きだよ。
昔も今も。
「 …駄目だ。 」
「 え ? 」
「 …ごめん菜々瀬ちゃん、先帰るね ! 」
「 え、ちょ、ちょっと !? 」
うちは駈け出した。
自分の家がある。すなわち、良太の家もある方向へ。
何も考えずに一心不乱に。
、