コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Courage.) /実話 *20話更新* ( No.78 )
- 日時: 2011/02/15 17:16
- 名前: ひなた. ◆Runa.IU3P6 (ID: 5RAlDtaS)
- 参照: Re: はーとの贈り物(∩ω`* )
■ story 1-21* ■
「 もうすぐ本番だねーなっつ 」
「 ん…やだな… 」
業間の休み時間。うちは理恵ちゃんと音々ちゃんと紗枝ちゃんと、図書室へ行った。前から借りてた本、期限が切れそうだったから。
図書室。入口に人だかりがたくさんあった。皆並んでいるのかな?と思い、駆けつけてみると、やっぱりそうだった。この時間帯は、図書室混むんだよね。
うちが借りた本はファンタジー。ひとりの悪魔が天使に恋をした。いけない想いとは悪魔だって気づいてる。だけど好き。その時悪魔は天使にある行動を取った———…。
恋愛対象、って良く聞くけれど、1年生のうちにはまだそんな意味は分からない。天使と悪魔が恋をしてはいけない理由はなんで?とお母さんに聞いたら、笑われた。何で恋しちゃだめなの?好きなら好きでいいじゃい。天使と悪魔は恋しちゃだめって、誰が聞いたの?
借りていい期間の間、ずっと考えていたけれど、結局分からないまま、2週間目の今日になってしまった。
恋愛対象なんて、うちにないよね?別に良太を好きになっても、いいよね?
「 ねーねー紗枝ちゃん。恋愛対象って、何かな ? 」
「 え ? 良く分かんないけど…恋してはいけない関係、かな ? たとえばなっちゃんが持ってるその本の悪魔と天使とか 」
「 何で駄目なの ? 」
質問攻めで紗枝ちゃんには悪いけど、知りたいからしょうがない。
紗枝ちゃん、すまん!
「 えー、良く分かんないけど、正反対のふたりじゃん ? 悪魔と天使は、違う役目でしょ ? えっと… 」
紗枝ちゃんが言うには、悪魔は人を呪ったりなど、悪い事ばかりする生き物。だから悪魔なんだろう。
逆に天使は人にいい事をもたらす生き物。天使は天の使い。神様と同じ役目を果たす、凄い生き物なんだ、と紗枝ちゃんは言う。
そんなふたりが恋におちたら前代未聞の話だ、と言う事を紗枝ちゃんは言いたいんだと思う。
「 うんと、じゃあ恋愛対象は悪魔と天使だけ ? 」
「 ううん。わたし漫画で見たんだけど、幼馴染同士も、恋愛対象じゃないんだって 」
え?
幼馴染は恋愛対象じゃない?
うちは良太が好き。うちと良太は、昔から一緒の幼馴染と言う特別な関係だ。そんな良太をうちは好き。優しくて、運動神経も抜群で、勉強もできて、パーフェクトな良太が世界一大好き。
でもそれも、考えられない想いなの?前代未聞の、恋心なの?紗枝ちゃんは何でも知ってるし、嘘はつかないし…幼馴染は、恋愛対象に入らないの?
うちはまだ、何も知らなかった。幼いから。体は誰よりも大きくても、能や理解力はハンパなく幼稚。
紗枝ちゃんの言ってる事が、あの時の家は分かんなかったんだ。恋愛対象?幼馴染?そしてこの、天使と悪魔———…。
予鈴が鳴るまで、うちは図書室にこもって、本を読んだ。恋愛対象について。あの天使と悪魔が出てくる本を、休み時間が終わるまで。
*
3時間目を告げる予鈴が鳴った。ガタガタと皆席に着き、しばらくたって千葉先生が教室へはいってきた。次の授業は音楽。一体何をするのかは知らないが、うちは教科書を読んでいた。
「 注目 ! これから、3時間目の授業を始めます ! 」
「 始めます ! 」
授業の始めの挨拶を終え、皆は教科書を開き始めた。
千葉先生がチョークに手をつけた。何を描くのかは知らないが…音楽じゃないの?と皆不思議顔。
そーだよ。音楽じゃないの?鍵盤や教科書の前に、まず黒板に何か書くの?
カツカツ、とチョークで文字を描く音だけが響いた。いつもは騒ぐ3組も、先生の行動により、静まり返った。
「 はい、これを見てください 」
「 え ? 」
黒板に大きく描かれた『キセキ』の一文字。
『キセキ』って、GReeeeNって言う歌手名が歌ってる歌だよね?良く発表会とか卒業式とかに歌われる…。
「 発表会で、これを歌おうと思います。歌詞を配りますんで、皆覚えてくださいね 」
そう言って配られた紙には『キセキ』の歌詞。難しい漢字がいっぱいで、うちにはちんぷんかんぷんだった。
その時、良太が消しゴムをうちの肩に投げて当てた。
何?と思い後ろを見ると、良太がこっちを見ていた。
そして一言口パクで
「 後で俺の所に来い 」
、