コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 指先女子高生⌒Y⌒∮* ( No.2 )
- 日時: 2011/01/30 13:33
- 名前: 愛芽 ◆NqnIZqOf5M (ID: CFE7lDA5)
@01./*
毎日毎日毎日毎日
同じパターンの繰り返し。
これからもずっと、そうなんだろうと思ってた。
普通の女子高生でいる限りは—…
『ジリリリリリリリリ…』
去年の誕生日に買って貰った目覚まし時計。
ハートにツタが絡みついたような、クラシカルなデザインだ。
「うるっさーーーーいっ!!」
私はデザインに似合わないけたたましい音をかき消すように、バンと思い切り時計を叩く。
いつものパターンだ。
私はそのまま反射的に時計の文字盤を見る。
寝坊したのに気づく。
慌てて服を着替え、顔を洗い、ご飯を食べる。
「あら?遅かったわね」
炊事をするお母さんの口から発せられる言葉。
もう何百回聞いただろうか。
私は「そう?」をすっとぼけた返事を返すと、
いつもの食パンと目玉焼きをレモンティーで口に流し込んだ。
いつものように歯を磨き、いつものように髪を結う。
人より多めの髪を耳の下で二つに分け、
本来なら校則違反のピンクのヘアゴムで結ぶ。
よく見る、お決まりの二つ括りだ。
「行ってきまーすっ!!」
私はキーホルダーやらストラップやらがジャラジャラついたスクバを
肩に掛けると、体当たりするようにドアを開けた。
いつもの日常。
いつものパターン。
「ごめーん!待った?」
いつものように待っていてくれた私の親友・大川櫻に謝り、
「遅い!走るよ!」
一喝入れられ、猛ダッシュ。
そして、いつものようにギリギリセーフで門に入る。
バタバタと足を鳴らしながら長い廊下を抜け、
ガラッと勢いよく教室のドアをひく。
いつものように授業を受けて
いつものように友達と笑い
いつものようにあの人を想う。
いや、それでもいいんだけどさぁ。
何か、何かが足りないの。
私は授業中時折そんなことを考えては、ため息をついた。
窓から太陽の光が差し込み、教室にいる人々に影を描く。
これから起こることに、私はまだ気付くハズもなく—…。