コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 指先女子高生⌒Y⌒∮* ( No.11 )
- 日時: 2011/01/31 21:50
- 名前: 愛芽 ◆NqnIZqOf5M (ID: CFE7lDA5)
@02./*
—昼休み。
木に捨てられた薄茶色い葉が、ひらひらと風によって命を落とす。
真冬の太陽は、意外にも大きく見えた。
「未奈美ーっ!!」
いつも落ち着いているイメージの櫻が、いきなり大きな声をあげた。
彼女の目線は、窓の外。
「何〜?」
私は止めることなく弁当箱の箸を動かしながら尋ねる。
どうせたいしたことないだろう。
「アンタの東先輩!来てるよ♪」
「はっ?」
思わず食べかけたタコさんウインナーをぽろりと落とす。
落とされたそれはまるで行き場のないように左右にブレた。
「どこ!?どこっ!?」
東先輩は私の憧れの先輩。
県内進学率№1の名門校に通っている。
私は窓から顔を出し、先輩を探した。
「あっ、いたっ」
私は思い切り手を振る。
先輩もそれに答えるかのように、ニコッと笑い返してくれた。
「わぁ、大人の笑みってヤツ??」
私と先輩のやりとりを見ていた櫻がニヤニヤしながら言う。
「ふふっ、まーね♪」
別に私が褒められたわけではないのだけれど、何故か得意になってしまう。
「全く、お前もすごいよなー。あんな先輩が知り合いだなんてさ」
背後から聞きなれた声がした。
嫌味の交じった、低く声変わりしたばかりの声。
「…輝太っ!?」
輝太は私の幼なじみで、バスケ部所属。
まぁ、よくいうスポーツ馬鹿?ってやつだ。
「モテモテで勉強も運動もピカイチなんだもんなー。頭下がるぜ」
輝太の態度を見て、私は気付いた。
「あー、もしかして、やきもち焼いてんだぁ?」
わざと嫌味っぽく言う。
「…はっ??んなワケねーし!!」
輝太が言い返す。
こんなの、私達にとっては挨拶みたいなもん。
「せんぱぁぁい、今そっちいきますっ!」
私は輝太を無視すると、櫻側を向き窓の枠に腰掛けて言った。
あ、一応言っとくけど、猫みたいにココから降りる、とかじゃ…
ないつもりだったんだけど。w
「あ、おいっ…危ねえぞっ」
さっきまでケンカ腰だった輝太が急に慌てだした。
「何言ってんの?まさかあんた飛び降りるとかって思ってる?」
っは、と私が鼻で笑う。
「ちがっ…」
そのときだ。
—ビュュュウ…
冬独特の冷たい風が吹いた。
「わっ…!?」
「綾城っっ!!!」
とっさに輝太が手をのばす。
バランスを崩した私の体は後ろへ、後ろへ—…
《きゃああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!》
私の悲鳴が、真昼の空にこだます。
「未奈美ぃぃぃぃーっ!!!!」
櫻の悲鳴を最後に、ドサッと鈍い音が響き、辺りは真っ暗な闇に包まれた。
それは、恐怖、悲しみ、絶望、そして悔み。
—ナニモ、キコエナイー…—