コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 指先女子高生⌒Y⌒∮* ※キャラ募集かけます! ( No.46 )
- 日時: 2011/02/11 22:04
- 名前: 愛芽 ◆NqnIZqOf5M (ID: CFE7lDA5)
- 参照: 目指すゎ200⌒(は
@06/.*
「〜っ…私、確かめに言ってくる!!」
その日の休み時間。
私は櫻の机をバンッと叩き断言した。
「は?イキナリ何言い出すかと思えば」
呆れた表情で櫻が言い返す。
「だって、納得いかないもんっ!」
これって、普通の感情だよ、ね?
「確かめに行って何になんの?」
小刻みに爪磨きを震わせながら、櫻がつついてくる。
やっぱ隙ってモンがないんだよね、櫻には。
「うぅ、それは—…「でもまあ、でもいいんじゃないの」
私が言い終わらないうちに櫻が言いきった。
意外な一言だったので、開いた口が塞がらない。
「え」
「それで、未奈美の恋にケジメがつくならね」
「…櫻、ありがと!」
やっぱり櫻だ。
櫻が私の親友だって事、誇りに思うよ。
「そうと決まったら早く行ってきな!先生のほうは上手くやっておくから」
私は階段を猛スピードで降りると、見つからないようにこっそり
校庭を出た。
「えーと、たしか彩蘭は〜…」
賀茂北高から彩蘭高までは、徒歩約20分。
走れば約10分。
「れっっつごー♪」
思い切り道を駆け抜ける。
風が全身に当たって心地いい。
夢中になって走っていると、10分なんて刹那。
「…ふぅ、着いた…」
今日の最低気温は-1度。
寒がりの私にとっては、地獄のような日だったハズなのに。
今日はなぜか体の芯から温かかった。
「授業中だよね〜…」
こっそり彩蘭の校舎の中に入り、壁の裏に隠れた。
立派なレンガ造りの新しい建物も、賀茂北とは大違い。
その時。
《キーンコーンカーンコーン…》
大きなチャイムが響く。
「びっくりしたっ…チャイムかあ」
急に校舎内がザワついた。
たぶん休憩時間を知らせるチャイムなのだろう。
「あ、そうだ、紅いるかな!?」
紅こと・氷深紅は私の彩蘭での唯一の親友。
中学校までは私と櫻と紅のグループだったんだけどな。
「って言っても、教室どこだろ…」
侵入者なので、もちろん此処の教師に聞いたりしたら即補導だろう。
私は悩んだ。
その時、一人の女子生徒が未奈美の存在に気付いた。
「あれぇ?誰かいるのぉ?」
まるで声優のような、甘い声。
(やばっ…)
私は一か八かでダッシュで逃げた。
このまま此処にいたら、侵入者っていうことがバレてしまう。
「あ、待ってぇ!」
すかさず、右腕をガッと掴まれた。
声とは裏腹に、すごい握力…。
「賀茂北の方?」
金色のウェーブがかった髪に、グレーの瞳。
まるでフランス人形のようだった。
「あの…見なかったことにっ…!」
私は必死にお願いした。
「うちの学校に何か用事ぃ?」
うぅ。
くりくりした目で見つめられると、嘘がつけなくなってしまう。
「あの…坂西東さんって人にちょっと」
私が仕方なく言うと、その子はさっきまでの可愛らしい表情から豹変した。
「ハァッ!?あんた私の東先輩になんの用よ!!??」
「へっ!?」
甘ったるいあの声も、ギスギスした比べ物にならない声に変わり、
愛らしいたれ目もこれでもかと言う程つりあがった。
「あの、あんまり大きな声出されたら…」
慌てて私がカバーする。
「ふーん、そうなのー。先生ぇーっ!!知らない人がーっっ!!」
いきなり大きな声をあげたもんだから、私は心臓が止まりそうになった。
「ちょっと、どういうつもり!?っていうか、“私の東先輩”って…」
その子はさっきのお姫様口調から女王様口調に変わって言った。
「貴方に教える義理はないわ。そうそう、私の名前は縁谷ラムよ」
まるで人を見下すような目線で縁谷さんが言う。
その時、何人かの教師がこちらに駆けつけてきた。
きっとさっきの縁谷さんの一言で…!!
「あれ、その制服、賀茂北高校の生徒だなっ!?」
「授業中だろう。人の学校に何しに来た!」
「ひゃあああぁあぁ!!すいませーんっっ!!!」
大声で叫びながら息を切らして逃げる。
「ふふん、東先輩に手を出そうとするからいけないのよ♪」
(結局確認できなかったしー!)
私は心の中でそう呟いた。
(っていうか、縁谷さんが、先輩の彼女なのっ!?)
もんもんと私の頭の中で勝手な考えが渦巻く。
そして、もう学校に侵入するのは二度とやめようと誓ったのだった。