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Re: 指先女子高生⌒Y⌒∮* ( No.55 )
日時: 2011/02/26 15:31
名前: 愛芽 ◆NqnIZqOf5M (ID: CFE7lDA5)
参照: ちょっとでも更新っっ←

@08/.*

「えっ、結局見つかんなかったのぉ!?」

櫻が叫ぶと同時に、クラス中の子が私達に目線を向ける。

「うぅ、うん…」

「その上自分から注意されに行ったって??どんだけバカなのよ…」

櫻はハア、と大きなため息をつくと、頭を抱えた。

「まあ平村先生の事だから、反省文くらいは書かされるかもね」

「えぇっ…!!」

私はドスンとその場に尻もちをついた。

「仕方ない、私の友達に聞いてあげるわ」

櫻は仕方なさそうにケータイを開くと、何人分入ってるのかわからない
アドレス帳を開き、電話をかけ始めた。




ん?



ちょっと待てよ?





「なんで最初からそうしてくれなかったのおおぉーっ!!」

「だって、必死な未奈美の姿見てたらおもしろくってえww」






櫻のハ゛カ!いぢわる!悪魔!!






おかげでこっちは反省文書かされるかもしんないのにーっっ!








「つうか、私もあんまこの子に聞きたくないのよねー」


櫻が顔を渋めながら呟いた。


「フランス人とのハーフらしいんだけど、生意気に『make』専属モデルやってるし…」

櫻の言う『make』とは、高校生女子ならみんな買ってるトレンド雑誌。
今流行のファッションや芸能情報がたくさん盛られている。

「あ!makeで思い出したんだけどさ、コレ今月の付録なんだよn「櫻!」

ケータイに付いているキーホルダーの中から一つをピックアップして
ご機嫌に話す櫻に、私は自ら口をはさんだ。
櫻はこのモードになるといつ現実に帰ってくるかわからない。

「はいはい、わかりましたよぉーだ」

櫻は珍しく小さい子のようにスネると、渋々携帯を耳にあてた。



プルルルル…プルルルル…


《あれ?櫻ちゃぁん?》

携帯から漏れてくる声に、私はぎょっとした。
どっかで聞いたことがある気が…

《あ、ラム、聞きたい事があるんだけど》

櫻の決定的な一言に、私は耳を疑った。
顔がこわばる。









もしかして、櫻の友達って…








縁谷ラムちゃんの事っ!?



《どうしたのぉ?それよりさ、聞いてー!昨日ね、撮影でさぁ〜…》


「え、マジ!?今回はどんなかんじだった!?」



あんま聞きたくないとか言ってたくせに…。


そんな私の様子に気づかない櫻は、ぺらぺらと楽しそうに雑談を始めている。
やがてはっとしたように櫻は用件を思い出し、慌てて軌道修正した。



「あのさ、東先輩の彼女って知ってる?」



単刀直入にズバリと聞いた櫻に、私が慌ててフォローした。

「ちょ、ズバリ聞きすぎじゃな《あぁ…》

私が言い終わらないうちに、縁谷さんの相槌が聞こえた。
思わず口を結び、櫻の携帯に耳を澄ます。

「え、ラムあんた知ってるの!?」

櫻も思わず興奮気味。

《…どうせ誰かに頼まれたんでしょ…まあいいけどね》

さっきまでのテンションとは打って変わって、ボソッと呟いた。
うぅ、なんで知ってんのこの子ーっ!

《…子よ》

「えっ?」


《“香田 翔子(こうだ とこ)”。うちの高校の3年生よ》


縁谷さんは吐きだすように言い放った。

《用件は済んだわね?じゃあ》

私達の返事を聞き終わらないうちに、彼女は一方的に電話を切った。
ツーツーという機械音が飛び出してくる。

「切られたわ…」

櫻は一言漏らすと、さっさと制服の胸ポケットに携帯をしまった。

「ありがと、櫻!」

私は櫻にお礼をいうと、さっそくわかった事をメモした。

————————MEMO————————

①先輩には確実に彼女がいる
②縁谷さんは先輩の彼女ではなく、一方的に先輩を想っている
③彼女の名前は香田翔子といい、彩蘭の現役3年生

————————MEMO————————

「アタシ、香田翔子って聞いたことないんだけど?」

彩蘭と賀茂北をよく行き来している櫻でさえも知らない人物…
当然私も全く知らない。

内心縁谷さんと櫻がアド換してんのも意外なんだけど。

「…これでケジメがついたでしょ?もう先輩の事はあきらめな」

櫻が『あきらめな』を強調させて言った。

「〜っ、無理!負けないもん!」

私も決して後ずさりはしない。
私だって先輩が好きなの!!







この想いで





この力で。





「ぜったい先輩を振り向かせて見せるもん!」

私の名声が、クラス中に響き渡った。