コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 指先女子高生⌒Y⌒∮* ( No.64 )
- 日時: 2011/03/17 19:47
- 名前: 愛芽 ◆NqnIZqOf5M (ID: CFE7lDA5)
- 参照: 復活!!___(&P'`q)゜+.* 4話に分けて更新します;;↓
♯01/.* 日向 陽歌side
本を読むには最適な、穏やかな昼下がり。
「ねえねえ、もうすぐバレンタインだよーっ!!」
ふと、そんな声が耳に入ってくる。
——クラスメイトの綾城さんだ。
そういえば、もうそんな時期なんだっけ…。
私—日向 陽歌(ヒナタ ヨウカ)には、秘かに好きな人がいる。
小学校のころから、ずっと、ずっと…。
「奏ー!!シュートシュート!!!」
「りょうかいっ!」
校庭から突然聞こえてくる声に、私は耳を刹那に澄ました。
彼の名前は小林 奏(コバヤシ ソウ)。
バスケ部所属・腕もなかなかで、橋森君と仲がいいの。
そしてそして—…私の好きな人。
だけど、この恋は叶えられない。叶うはずがない。
理由は1つ。
私が名前負けしてる女子ってこと。
黒ぶち眼鏡に地味なオサゲ、脛まで伸びた長いスカート。
学校では本が唯一の友達。
顔も可愛くないし、今の流行なんておさえてない。
色っぽさなんて限りなく0に近いと思う。
ただでさえモテる奏君が、私なんて選んでくれるワケがないじゃない?
でも、今年のバレンタインは勇気を出して告白するつもり。
ダメならダメで、ピリオドを打たなきゃいけないと思うようになれたから…。
その日、私は家に帰るついでに本屋へ寄り道をした。
「あった、これだ」
ただ一人の友人・白舞 春子から教えてもらった『☆バレンタイン特選!!手作りレシピ☆』。
内容には定番カップチョコや上級者向けのトリュフまで、幅広いお菓子が展開されている。
ついでに『make』というファッション雑誌も購入した。
「これくらいでいいかな」
次に近くのスーパーへ寄り、トレーシングペーパーとデコペンとマフィン用カップとラッピング袋を購入し、そのまま帰宅した。
「ただいまー」
もちろん、返事はない。
私は一人っ子で、両親は共働き。
最初のうちは少し寂しかったけど、今では当たり前になりつつある。
私はレシピの『マフィン』のページを開き、
さっそくエプロンを肩に掛けた。