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Re: 指先女子高生⌒Y⌒∮* ( No.71 )
日時: 2011/04/23 13:56
名前: 愛芽 ◆NqnIZqOf5M (ID: CFE7lDA5)

@09/.*


——その日の夜、私はある事で悩んでいた。
もちろん、香田さんの事でもあるけど…。


毎年この町では、『サクラ春祭り』というイベントが催される。
開催者は、彩蘭高校生徒・望月梓(モチヅキ アズサ)さんのお父さん。
ちなみに望月さんは紅の友達で、私とも面識があるの。


…本当は、先輩を誘おうと思ってたんだけどな。


「でも、彼女さんと行くんだから仕方ないよね…」

ふいにため息がもれる。


♪〜♪〜♪


メールの着信音が、やけに耳に響く。

「輝太から…?なんだろ」


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Re:綾城 
題名:無題

春祭り、俺とお前と大川と氷深と奏の5人で行こうって大川が言ってた
当日夜7時公園前集合だから遅れんなよ!

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いつもどおり真っ黒な輝太からのメール。

「…りょーかい」


どうせ先輩とはいけないワケだし、
櫻と紅もいるし。

ってゆーか、奏君って彼女いるのに来ちゃっていいのかな??


私は頭の中でそんな事を考えながら、輝太に『わかった』と返信した。


「…」

私はおもむろに昔のアルバムを取り出した。
先輩を好きになり始めたころ—…つまり小学1年生。



「ちっちゃいなぁ…」



写真の中の自分は、無邪気そうに笑っている。
この後“指先女子高生”になることも知らずに……。

私はなんだかみじめな気分になって、ページを先送りした。


「あ、これ輝太!?私よりちっちゃいじゃんw」


遠足の写真で最前列にしゃがんでいる輝太はムスッとしている。
そんな輝太の後ろで最大のピースをして目立っているのは櫻。


「…10年もたつのか」


時計はもうすでに夜の11時を回っていた。


「もお寝よ…」


私はアルバムをしまうと、枕に抱きつくようにしながら眠りについた。













































《先輩…?》











もうあなたのことを好きになっちゃいけないのかな。














すごく苦しいよ。


















私はもう普通の女の子じゃなのかな。

















もし皆にこの力がバレたらどうすればいいの————………?


































「…み、…なみっ…。みなみっっ!!!!!」







「…はうっ!?」




「もう8時よ!?早く起きなさい!!」



「は???」


私は絶句した。
寝坊した事が受け入れられないという理由ではない。


「9時に登校するんだよ?」

うちの高校は9時に登校すればいいことになっているハズ。
私はわざとらしいあきれ顔でお母さんに言った。


「あんた寝ぼけてんの!?ほら、輝太君もう来てくれてんのよ!!!」


え?



私はベッドから飛び起きると、パジャマなのにも関わらず玄関のドアを開けた。




「未奈美!遅ぇぞっ!」



目の前の輝太はなぜかランドセルを背負っている。



「輝太なんでランドセル…つか背縮んだ?」



「うっせー、チビだからって馬鹿にすんな!!まだ小1だし…これからのびるんだ!」



は? ふへ?







小1…小1…




わたしは即座に家の中に戻って、お母さんに聞いた。





「お母さんっっ…私今何歳!?」


「あんた…ボケてる?」


お母さんがあまりにも神妙な顔で聞いてきたので、私もごくっと唾を呑んだ。






















「7歳じゃないの…」









ぇ?











私はダッシュで玄関の全身鏡の前に立った。




125cmくらいの背丈。
茶色でショートの髪。
くりんとした幼い瞳。




「私高校生だよ?賀茂北高校の学生…」



一人で呟いた声が震えている。



その時、





「未奈美ぃぃぃ〜〜〜!!!おいてくぞー!!!!」


甲高い輝太の声が門前から家じゅうに響いた。



















綾城未奈美 17歳。












どうやら10年前にタイムスリップしてしまった模様。


思わず顔がサァーッと青ざめる。



















う…




う…




















「うそぉぉぉぉぉーーーーー!!!!!!!!!」