コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- #2 ( No.9 )
- 日時: 2011/02/18 22:34
- 名前: 美桜 ◆QfbalvjOYM (ID: FMKR4.uV)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
#2
人は皆、欠点を持っている。そんな当たり前のことを、人は意識せず生きていく。他人の欠点を探し、自分の欠点を必死に隠しながら。美紗樹は、自分の欠点を自覚していた。
-----自分の心に素直になれないこと。
簡単なようで、とても難しいこと。美紗樹は、学校でも人気がある。---なにせ、有名な女優だから。でも、有名になるにつれて、だんだんと美紗樹に対するこんな感情が生まれ始めていた。
-----なんで美紗樹だけ。
いわいる嫉妬だった。なかなか高校生で有名になるのは難しいこの時代に、美紗樹は簡単に有名になったのだ。でも、そうは思っても口には出せない。学校中で人気のある美紗樹に何か悪口を言ったら、自分に返ってくることをわかってたから。そんな時、人は裏の手を使う。
(あ、落書きだ…)
美紗樹の机には、「バカ」「親の手を借りたせこい奴」「ブス」そんなことが書かれていた。美紗樹は、はぁとため息をつき、落書きを消していった。
(こんなくだらないことしかできないの… ?)
そう思いながら、理科室へ行った。
「美紗樹ちゃん !!」
クラスメート-----莉子が、美紗樹に話しかけた。
「何 ?」
「実験一緒にしましょうよ !」
「そうね」
滅多に話しかけてこない莉子が、話しかけてきたことに吃驚しながらも、美紗樹は莉子の班の席に着いた。
「美紗樹ちゃん、この前のドラマ見ましたよ ! “桜の木の下で”ですよね ? 美紗樹ちゃんの役がヒロインにぴったり合ってて、演技も素晴らしかったです」
そう言って目を輝かせる莉子に、美紗樹は言った。
「そうかしら ? ま、ありがと」
すると、先生が実験の説明をし始めた。勉強も学年一位の美紗樹は、説明を聞かなくてもわかっていた。そのため、今回使う薬品がどれだけ危険か分かっていた。
「では、各自始めなさい」
先生の合図で、実験を始めた。
「莉子ちゃん、そこの薬品取ってくれる ?」
「はい !!」
そう言って、莉子がその薬品を取った時、美紗樹はあることに気付いた。
(ふたが開いてる… !)
そう気づいた瞬間、莉子が足を滑らせた。とっさに美紗樹は莉子の背中を強くおした。
-----ガッシャー--ン !!
(痛い…)
美紗樹が自分の足元を見ると、薬品は全く別のところで転がっていた。莉子も無事だったようだ。美紗樹が安心した時、頭から流れる温かい液体に気付いた。
「和さん !?」
先生が慌てて駆け寄るのが見えた。しかし、美紗樹はぼーっとしてきて、焦点がはっきりしなくなった。そして、意識がなくなった。
-----只一つ聞こえた言葉。それは…
「何ヘマしてんのよ莉子 !! せっかくの計画が台無しじゃない。ま、血だらけにはなったけど」
続く