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第十話。

首が痛いのに慣れてきた私は窓の外ばかり見ていた。

『雲の形って、ころころ変わって面白いよねー』

幼い私が、空を見上げながらそんなことを言っていた気がする。

そういえば、あの時私が話しかけていたのは誰だったろう…？
だめだ、思い出せない。記憶力ないなあ、私…。
でも、良い人…で…優しかった…気がする…。

そこまで人柄を覚えていてなんで私は顔を思い出せないんだ全く。
そんな事を考えていると先生に睨まれた。
危ない危ない、注意される。

そう思い私は勉強に再び集中した。