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第十一話。

「夢花？」
「…」
「ゆーめーかー？？」
「…」
「無視かよ…じゃあコーヒー牛乳…」
「コーヒー牛乳は渡さん。」
「やっぱりそれで反応するのか。」

当たり前だ美湖ちゃん。コーヒー牛乳あれば生きていけるよ私は。
牛乳入ってるから背も伸びないかな、という希望も密かにかけられていたりするんだよ。

「授業中さ、大丈夫だった？」
「…何が？」
…ずいぶん唐突だな。と思いつつ、知らないフリをしてみる、が無駄だったようで「とぼけんじゃないよ。」と美湖ちゃんに言われた。
「ほら…さ。色々あったじゃない？」
「あったねえ。小学校時代にね。」
だからって昔の傷をえぐらないでほしいんだけど。

「思い出したりしなかった？」
「まあ。でも、大丈夫です。そして美湖ちゃんには感謝してます。」
美湖ちゃんは美湖ちゃんなりに心配してるのだろうけどやっぱり思い出したくないなあ。
美湖ちゃんは「ならいいけど、ごめんね。」と、申し訳なさそうに笑っていた。
さすが心の友、私の気持ちを察していたようだ。

でもこの気持ちを察せるのであれば美湖ちゃん…。



おにぎりとイチゴ牛乳を一緒に食べるのはやめてほしかった。