ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

第一話。

「ねー夢花ー」
「なあにー？？」

黄昏時、帰り道を歩くのは私、有坂夢花とその親友、羽梶野美湖ちゃんです。

いつもの通学路、平凡な会話、響き渡る笑い声。

同じでした。いつもと同じ。

この時までは_____。

途中の道で美湖ちゃんと別れて、自分の家に向かいます。
数分すると、庭にお母さんの趣味で植えられた色とりどりの花が見えます。
私はドアを開け、靴を脱ぎ、自分の部屋に行こうと思いました。

でも、数歩歩いた所で私は足を止めました。
長い廊下の途中にある一つの部屋の襖が開いていたのです。

ここは確か____おばあちゃんの部屋だったはず...。

そうなのです。ここはおばあちゃんの部屋。
けれどおばあちゃんが亡くなって三年。
この部屋は使われる事もありませんでした____。

なのに、開いている____。

私は息をのみました。

襖にゆっくり手をかけます。

すうっ...と襖が開きました。

畳が敷き詰められた和室には一つの日本人形がポツン...と置いてあるだけでした。

何だ、人形か....

そう思ったのもつかの間。
人形がグルッ！！と私のほうを向いたのです。

「ぎゃあああああああああ！！！！」

私は大きな叫び声をあげました。
人形は、私の方へと向かってきます

一歩ずつ、一歩ずつ....


私はもう、硬直して動けなくなっていました。
人形は私の足元に来て、止まりました。
そして私を見上げ、言いました。

「夢花様！！こんなところにいたのですね！」

しばらく、沈黙が続きました。

「はぁぁぁあああ！！？？」

私は、今日二回目の大きな叫び声をあげました。
それと同時に思いました。

意味不明、理解不能な出来事に出遭ってしまった、と_____。