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第十五話。

「で、この子を連れてきたんだけど…。」
家に帰った私は、まず瑠璃とお母さんに事情を説明していた。
「この子、何故花の巫女の事を知っていたのでしょうか…。」
事情を私から聞いた瑠璃は、うーん、と唸って首をひねる。

私は隣に座っている女の子をチラリと見た。
美形なところ以外は、何の変哲もないただのおちびちゃんなんだけど…。
私の視線に気づいたのか、女の子は私の顔を覗き込んだ。
そういえば、この子の名前聞いてなかった。
「ねえねえ、そういえば聞いてなかったけど…君、名前は？」
「優美！！桂木優実って言うのー。」
「優美…。ねえ、お母さんはどうしたの？」
そう。私がこの子_________優美を見つけた時、辺りに大人はいなかった。
はぐれたのかな、と思ったけれどそれも違うようだし…。

「いないよ、お母さんもお父さんも。」
「は…！？」
優美の返答に、私の声が裏返った。
「いないって…」
「うん。気づいた時には施設預かりになってた。」
優美は何も気にしていない、とでもいう風にニコッと笑う。

そんな時に。


「あああああああああああああああ！！！！！！！！！」

大声を上げたのは瑠璃だった。

「ちょ、何！？うるさいなあ！何なのいきなり！」
私が少しイライラしながら言うと、瑠璃はキラキラした目を私に向ける。
「夢花様！！その子がつけているペンダント！」
瑠璃が指をさすのは、優美の胸辺りについている薔薇のペンダント。
「それは、花の巫女の一人、薔薇の巫女である印でございます！」