コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: フラワーガール!!〜人形と花と能力者と〜 ( No.48 )
日時: 2011/08/10 17:44
名前: 未来亞 ◆Szx9FxEnrU (ID: AtEKy/.l)
参照: 小説大会ですねー。私は参加してませんが;;

第二十六話。

「夢花お姉ちゃん。」
優美がベットの上でゴロゴロしながら私に話しかける。
明日香がこの町に来てもう二週間。
六月はジメジメする季節。だが後半に差し掛かっているからかそんなに不快な感じではなかった。
「どうした優美。」
「あんねー優美、花のお巫女さん見つけちゃった。」

…ぶっっ!!!

隣にいた瑠璃と私は大いに吹きだした。
「ゆ、優美様それは本当ですか!?」
「うん。お花の髪飾りしてた。ただの髪飾りじゃなくて…こう…お、おーら?みたいなのがふわって。」
優美が身振り手振りで説明をしている。
_______________オーラ、か。
私には全く分からない。が、優美はまだ幼いからそういうのが分かるのだろうか?
小さい子は幽霊とか見えるって言うし…

「とにかく!優美様!それはどこにございますか?」
「えっとね…夢花お姉ちゃんのお母さんと散歩に行った時だから…此花町のお隣の町だよ。」
「えっと…じゃあ望月町だ。」


数時間後。


「だいぶ暗くなってきましたね…」
私の鞄の中に入っていた瑠璃が呟いた。
かれこれ数時間探しているものだからだんだん暗くなってきた。
空には満月が浮かんでいる。
「んんんー確かこの辺のはず…ってあっ!」
優美が何かに気づいたように指をさす。
その方向には微妙だが青白く光っている何かがある。
「夢花様、行きましょう。」
私はコクリと頷いて、その方向へ走った。


そこには、着物を着た少女二人と、ワンピースの私くらいの歳の女の子が、“宙に浮いていた”。
どうやら浮いてる子が花の巫女らしい。優美の言った通り髪飾り…ヘアピンをしている。桜の飾りがついている。

着物を着た二人はゆっくりと振り返った。
背は小さく、優美と同じくらいだ。
二人の顔は驚くほどそっくりでどうやら双子らしい。手を重ねてクスクス笑っている。

「花の巫女もたいしたことないわね、右京。」
「そうね、左京。でもあの人たちも花の巫女よ…?」

私から見て左にいる子が右京、右にいる子が左京と言うらしい。
二人とも月の文様が頬に刻まれている。…正直分かりづらい。

「あ、アンタたち…!!!」
私が声を出すと、右京が「おっと、」と少し後退した。
「今日はあなたたちと何かする気はないわ。この子はもらっていくけれど。」
すると左京もにやりと笑う。
「すべては、夜深月様の為…。」

「よ、夜深月ですって!?」
瑠璃が驚いたように声を上げると、二人はクスクスと笑う。
「また会いましょう…」
「近いうちに、ね…」

そういうと、二人と少女はすうっと消えて行った。