コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: フラワーガール!!〜人形と花と能力者と〜 ( No.50 )
- 日時: 2011/08/10 17:42
- 名前: 未来亞 (ID: AtEKy/.l)
- 参照: 祖父の家より。トリップなくとも本物です
第二十八話。
「あれは夢花様のおばあさま______夜花様がまだあなた方と同じくらいの年だった頃。」
夜花様は他の花の巫女達と練習を重ね、巫女祭りへちゃくちゃくと準備を進めていました。
そして、巫女祭り当日、事件は起こったのです。
昔から花の巫女以外にも色んな巫女がおりましたがその中に月の巫女、という巫女がいたのです。
その月の巫女は昔から花の巫女達と親交が深く、私めも大変お世話になりました。
片方が困れば、片方が助け、支え、共に手を取り歩んできたようなものです。
ですが__________。
巫女祭りの当日、月の巫女が私たちに突然牙を剥いたのです。
理由は分かりませんが、本当に突然でした。
花の巫女達は戦いました。
そして死闘の末、月の巫女達を倒し、封印したのです。
「しかし、あれから七十年以上。あの内四人の三人が封印から抜け出した模様です。」
瑠璃が俯きながら呟いた。そして悲しそうな表情を浮かべ、ちらりとソフィーを見る。
「言っていいわね?ソフィー。」
「はい…。」
ソフィーが力なく頷くのを確認し、瑠璃はまた俯き気味に話しだした。
「戦いがあれば、犠牲も出る。そしてその犠牲者は、向日葵の巫女の___________明日香様のおばあさま、沙衣様でした。」
ずん、とした重い空気が流れる。
その重い空気の中、ソフィーが嗚咽をもらした。
「あの時…私…がっっ…しっかりしていれば…私のせいなんです…私の…」
「大丈夫や、ソフィーのせいなんかとちゃう。分かっとるよ。」
「そ、そうだよ…お人形さんのせいじゃないよ?」
皆がソフィーを慰める中、私だけ何も言わずにいた。
そして気づけば、
「ゆ、めか様?」
机を思いっきり叩いていた。
「ちょっとごめん。外でる。」
私の表情は、どんなだったろう?
きっと恐ろしいほど、冷酷な表情だったに違いない。
でも私には耐えられなかった。
あんな慰めの言葉、何にもならないって
私はよく知っていた
知っていたから。