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第三十五話。

夢花が部活に出ている頃、有坂家は。

「夢花〜遊びに来たで…って、夢花おらんのか？」
「はい。珍しく部活に出ておられる様で…」
「はあ！？めっずらし！明日は大雨やな！……そんなに効いたんかな、あの言葉。」
明日香の呟きに、瑠璃は首を傾げ「どうされました？」と言うが、明日香は「なんともあらへんよ。」と笑う。

その後、優華が来て「ゆっくりしていってね〜」とおっとりした口調で言うのはいつもの事。

客間に案内されたあと、明日香の鞄の中からソフィーがひょっこり顔を出した。

「明日香様…道中スキップするのはやめてください…頭がガンガンします…」
「かんにんね…。」

そして何故か瑠璃によるソフィーへのお説教が始まった。

「もう、ソフィーは…いつもいつもおずおずして！昔はもっとしゃんとして厳しかったじゃないの！ホントにもう！！」
「そ、ソフィーが厳しい！？嘘やろ！？」
「ふえ…う、嘘じゃないですよ…昔は人に化けて竹刀振り回して沙衣様に怒ってました…」

ソフィーは「今の自分とは正反対ですよ」と苦笑した。
「人っちゅーんは分からんモンやな…」
「そうですわね…夢花様もこれからシャキッとしてくださるかしら…？」
「いや、それは無理やろ。」
「わ、私も…無理かと…」
「…ですよね。」


夢花のいない間は、夢花をどうさせるか会議になってしまう有坂家である。