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第三十七話。

「なんですの？この汚い家…。」

落ちてきたそいつの第一声がそれだった。

「汚くて悪かったね、」と私は言い、「なんでこの家に？」と尋ねた。

「私だって知りませんわ！！なんでこんな…！！」

とにかく、彼女の事情とやらを知らない事には意味がない。
で、聞いたことをまとめると。

彼女は赤阪実桜。花の巫女の一つ、桜の巫女らしい。
あの日さらわれた後どこかの洞窟の棺に閉じ込められるといういかにもファンタジックな体験をし、気が付けば棺の底が抜け、この家に落とされたのだという…

「って、何だそれは…頭打っておかしくなったのか？」
「なってませんわ！夢花とやら、あなた失礼ですわね…！！」

いや、人の家を「汚い」とその家に住んでる人の前でいうよりかはマシかと思うが。

「そ…そうですわ！！あなた方に伝えなくてはいけないことが…！！」

実桜は思い出したようにまた話し始めた。