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第三十八話。

「ええ！？な、なんですって！？実桜様、本当にございますか！？」
瑠璃の大きな声に私は振り向いた。

「どうした、なにがあったんだ。」
「いえ…夢花様、本当に本当に大変な事態です…」

明日香はキョトンとして瑠璃の方を見ており、優美は濡れせんべいと言う何ともおばあちゃんくさいおかしを食べていた。
平和…のように見えるが、瑠璃の様子からして緊急事態である。
私達は正座をして瑠璃の次の言葉を待った。

「夜深月だけではありません……夢花様、優美様、明日香様、実桜様…。十六夜が復活しようとしています…。十六夜がこちらに攻めてくるとなると、また封印の儀をとり行わなければなりません。これは戦いです。しかもそれはそれは苦痛なものになります…。」

瑠璃は静かに目を閉じ、少し深呼吸する。

「この戦いの鍵となるのは、夢花様なのです。月の巫女たちを封印できるのは白百合の巫女________________つまり夢花様にございます…。少し不安ですが、きっと戦うことにはなるでしょう…。」
「いやちょっと待て。不安ってなんだ不安って。」
「でも皆様、頑張って月の巫女を倒しましょう！」
「いや聞けよ！無視かよ！」

終始私は瑠璃に無視され、みんなには不安の目で見られ、なんだか散々な感じで緊急会議は終わったのだった。