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第四十三話。

放課後、美湖ちゃんの部活が今日はないという事で二人で帰っていた。
ちなみにあれから私は部活に顔を出していない。
三日坊主どころか一日坊主なんて、と瑠璃に溜息を吐かれたが。

そんな夕焼けに染まった紅い、赤い、通学路を二人して歩いていると美湖ちゃんが唐突に話題を持ちかけた。
「ねえ、夢花はさあ…彼氏とかつくんないの？」
「…いきなりだなあ。」
いかにも“女子中学生”っぽい会話な気がする。恋バナやらなんやら、早く告白しちゃえ、いやまだやめとく、的な。

しかし、だ。

「前から言うようにそういうの興味ないから。」
「え、まだ興味でないの！？夢花はまだまだ子供だな〜」
わざとらしく美湖ちゃんはおほほほ、と笑う。
ちょっとイラッとしたが抑えるんだ私。

「ほら、転校生くんとかいるじゃない！如月…ユウマ…だっけな〜。如月くんに恋して告白しちゃえ！」
「なんでそうなるの。話したことも、ましてや見たこともないんだよ？それにイケメンで？女子にも人気なんでしょ？高嶺の花過ぎるでしょうよ。」
無理無理、と私は笑ってみせるがそんな私の背中をばしばし美湖ちゃんは叩く。
「いーや！なりなさい、なってみせなさい！！私は夢花の恋を応援するから！！」

ほとんど強要されてる気がする。そして、背中が痛いんだが…
痛みに耐えながらも自分の顔が歪むのが分かる。
これからもっと忙しくなりそうだな、と溜息を吐いた。