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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ( v o l u m e . ) ( No.4 )
- 日時: 2011/02/25 17:25
- 名前: 綾莓. ◆83sPk9nC26 (ID: 5RAlDtaS)
♭ Volume .02
自宅から学校までは、そう遠くはない。わたしが痛いのは別に足とかそういうもんじゃないから、別に登下校にはきっぱり問題はない。
けれどその時だって、恵太はわたしの心配をしてくれる。「 疲れない? 」とか、「 喉の調子は? 」とか。
確かに、歩いていると口に空気が入って少し痛む時があるけれど、それ以外は問題ない。
恵太って、心配性なんだなと、他人からも気づかれている始末。
まあ、そういうところが好きなんだけど。
————*.
「 おはよー恵太っ! 」
「 よおっ! じゃ、美声鞄置いて大人しくしておきな 」
学校に着くと、すぐさま恵太の元へと友達が待ってましたとばかりに、飛びこんできた。
けれど恵太はそんな時にも、人目を気にせずわたしの事を構ってくれる。
けれどわたし、恵太に一言もお礼言った事ないんだよね。
たった一言の、"ありがとう"さえも。
勇気があれば、きっと言えるはずの言葉も、わたしは言えない。
別に言えない事はないけれど…何か後ろめたいって言うか。
とりあえず、わたしはこのままでいいのかなって、時々思うがある。
「 ぅ、ぅん… 」
小さい声で返事をしたけれど、恵太は聞こえてないみたい。友達と、自分の席へと歩き出した。
返事さえも普通に言えないんだ。
わたしの、ばーか。
( V o l u m e . )
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