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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- §あなただけ ( No.21 )
- 日時: 2011/03/20 12:44
- 名前: 祐希 (ID: xJuDA4mk)
//10.
牧内くんのことが忘れられないまま、あたしは中学生になってしまったけど。
昴さん……のことも、目に焼きついたまま。
いつの間にか、あたしの心を支配するのは昴さんのことで。
牧内くんへの想いは消えないまま、あたしは昴さんが気になり出す。
でも、怖かった。
あんなに苦しい想いして、やっぱり忘れられない牧内くんへの恋心。
それと正反対に膨らんでいく、昴さんへの気持ち。
また、あんな悲しい想いを繰り返してしまうんじゃないかって。
あたしは怖かっただけ。
牧内くんの想いは消したくない。だって、初めて人を違う意味で好きになったんだ。
あたしのなかでは、初恋だったんだ。
だから牧内くんは、今でも大切な人。どんなに悲しい結果だったとしても、それは変わらない。
でも……でもね。
昴さんに逢ってから、牧内くんの想いが日に日に薄れてくような気がするんだ。
それが、あたしはすごく嫌で。
でも、視界に真っ先に入るのは……昴さんで。
あたしは、どうしたらいいのかな?
このまま、牧内くんのこと忘れて、昴さんを好きになれるのかな?
怖い。
——怖いよ、牧内くん。あたしは、自分が怖い。
——あなたへの想いを、平気で消していく自分が……すごく、怖い。
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