コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

§あなただけ ( No.48 )
日時: 2011/03/26 12:53
名前: 祐希 (ID: xJuDA4mk)

//17.


「昴さん。あたしも、昴さんのこと、好きです」

言った。あたしは、決めた。
昴さんが——好き。誰よりも、誰よりも。昴さんが——好き。
いままで色んなことあったけど、やっぱり昴さんを見つめてしまうから——。
昴さんのこと、見てしまうから。

「ありがとうございますっ」

頭上を見上げると、昴さんがあたしの大好きな笑顔で笑っていた。
つられて、あたしも笑ってしまった。



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昴さんと付き合うようになってから、一週間。
でも、あたしにとって牧内くんは、恋を教えてくれた大切な人。
だから、仲良くしていこう、って決めた。

「牧内くん」

振り返った牧内くんは、驚きと困惑が入り混じった表情だった。

「朝岡さん……どうして? やまと は?」
「牧内くん」

牧内くんの問いを遮って、あたしは——過去のあたしと「さよなら」した。

「あたしは、牧内くんのこと——本当に好きだったよ」

涙が零れた。けど、悲しいとか切ないとかそういうのじゃなくて。

「——俺も、朝岡さんのこと好きだった!」

困ったように笑いながら、あたしたちは昔の誤解を解いた。
明日からまた、変わらない普通の関係。
でも、あたしは大丈夫。

今は、昴さん——あなただけが、本当に好きなんだ。
これからも、ずっと変わらないから。

——あなただけを、想うから。


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§あなただけ......