コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

§初恋物語 ( No.75 )
日時: 2011/03/31 22:07
名前: 祐希 (ID: xJuDA4mk)

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「あのっ」


引きとめてしまった。もうきっと、二度と逢えないかもしれないのに。
——ふっ切れなくなってしまうかも、しれないのに。


「あたしも……好きです」
「え?」
「あたしも……平池くんのこと、好きです」


あれ? あたし、こんなこと言うつもりじゃなかったのに。
何でこんなに、勝手に言葉を紡いでいってるのかな?
——ああ、そうか。あたしは、本当は。


「同情なら……いいですよ」
「同情なんかじゃ、ないです!」


自分でもびっくりするくらい大きな声が出た——もしかしたら、初めてかな。


「ずっと見てましたから。平池くんに……告白されてから」
「本当、ですか?」
「はい。本当です」


こんなこと言うつもりじゃなかったのに。
でも、あたしはなんだか満足してた。







翌日、平池くんは行ってしまった。
でも、悲しくはない——平池くんに、想いを伝えることができたから。
——正直に、ありのままのあたしを、伝えられたから。