コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

§ほんとの言葉 ( No.97 )
日時: 2011/06/20 19:13
名前: 祐希 (ID: xJuDA4mk)

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焼田を視界に入れた瞬間、不意にためていた涙がこぼれ落ちた。
抑えきれるはずがなかった。 あたし、ずっとこらえてたんだ。 助けてもらうの待ってたんだ。
なんて図々しいんだろ。 ——そんなこと思う前に、焼田に頼ってた。


「うあ、っ……も、嫌だ……っ!」
「え、ちょ、」


ぼろぼろと留まる事を知らない涙がこぼれ続ける。
このまま、胸につっかえてる何かも吐き出せたらいいのに。 そう思った。

——胸につっかえてる何か、の正体も知らないまま。

とりあえず、今は誰かに頼ってたい。 誰かに縋ってたい。
その一心で、焼田の袖をつかんだまま、俯いて泣いた。

焼田の表情は……見えなかったけど。