コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 古本少女! ( No.238 )
- 日時: 2012/03/11 00:07
- 名前: 月読愛 ◆YUGvIhJsVY (ID: 1/l/Iy6H)
- 参照: http://koebu.com/koe/06f590152675cdfce09be84cb0adcea85b6beb82
古本少女を土台に……僕が。
そんなことできるわけがない……でも、僕は古本少女の担い手。
父さんから継いだ、唯一の彼女の担い手。
僕しかいないんだ。この世界を救うのも。彼女を救うことができるのも!
「湊」
「は、はい!」
「なんだ……改まって」
「いや……」
「……」
やっぱり、このまま対戦に挑むのは後ろめたい。そんな感情が僕を邪魔した。どうしても……何をしても……。
「期待はずれだったか……」
変動を自分の身に感じたらすぐに、彼女に連絡して参戦させる。それが僕の役目だそうだ。彼女が必死に戦っているのを、僕はただただ
見守っているだけなんだ……。
無力とは、こういうことを言うんだな……久しぶりに味わう絶望感だった。あれ……? 久しぶり?
なんだろう、この胸騒ぎは———
敵の主体が発見できない限りは、動くほうが危険。こう考えた古本少女は、計画を実行する前に、彼女自身でまず場所を見つけ出すらしい。
僕は待機することになったわけだ。
あと20時間……。こういう立場になると、時間がとても早く感じる。
楽しい時間はいつも過ぎるのが早い。
でも最近は、心から楽しめることなんか一つもなかった気がする。
「平和になったら……彼女と…いっしょ…に…——」
すずめの鳴き声が耳をついた。
「ああ! うるさいって!」
え……。僕は起きた。
周りを見れば、視界に入ってくるのはいつも見ていた自室。
僕がいるのはベッド。勿論これも自分ので……。
「時間!!」
一日で世界が終わるかもしれないってのに、僕はなんてことをしてるんだ!彼女が頑張ってくれてるっていうのに!
……彼女?
「誰だっけ……」
再び布団を頭までかぶってまぶたを閉じる。どうして僕はさっきまであんなに慌てていたのだろう。朝の4時。まだ外もじゃっかん暗くて、
学校に行くにしても、起床時刻には十分余裕がある。
7時に家を出て、角を曲がると幼馴染の、ののかがいて。
一緒に登校して、勉強して、下校して夕食食べて風呂に入ってベッドで寝てまた朝が来て起きて食べて歩いてののかがいて学校行って勉強して帰って食べて入って寝て起きて食べて歩いてののかが———!
「ああああああああああああああああ!!」
足りないんだ。何かが。僕に。何だ。何が足りない。
「……思い出せない……」
僕は結局寝付けないまま、朝食を終え、いつもより1時間も早く家を出た。勿論角を曲がってもののかの姿はないはずなのに……
「おはよーみなとっ! 今日は早いんだねぇ?あ、うちにそんなに会いたかったのかい?なーんて!あははは!」
「よ、よぉ……えっと……」
あれ……
こいつは……さっきまで名前…嘘だろ…
「みなと?」
「やめてくれ!!」
「湊……?」
こいつ……誰だっけ……?