コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 古本少女! ( No.36 )
日時: 2011/03/20 15:36
名前: 月読 愛 ◆o9WCM38pVQ (ID: OJbG5PHc)



ってな感じだった。
古本少女も普通の心を持っていた。これはいえる。
 そして現実に意識を戻してみたが……。
相変わらず教室はいつもどおりで、一刻もたいして変わった風もなく
過ぎていく。
 別に深い意味もなく、三人の女子を目で追った。
勿論、ののか、霜月、榊原である。
気のせいかもしれないが、今日は榊原とののかが元気がないように見える。
というか、霜月がそうであったとしても読み取れない。
 ここで僕の中で脳内シュミレーションが働く。
ののかに話しかける場合。
①どうしたんだ?具合悪そうだけど
②何してんだよ、ののからしくないぞ!
③ののかあああああああ!
③はないな。①だったら……
「どうしたんだよ?具合悪そうだけど」
「みなとぉ〜べつに」
「べつにって……さっきからなんか元気ないように見えるよ?」
「そっかぁ〜みなとには分かっちゃうんだね。うん。少し朝から……調子悪くて……」
「そうなのか……大丈夫か?」
「うん、平気。でも、湊が気付いてくれるなんて、あたし嬉しいな」
「はい!?」
ダメだダメだダメだ!
これは古本少女が実験したときみたいな展開になってしまうううう!
えーと、②
「何してんだよ、ののからしくないぞ!」
「う〜ん?あ、みなとぉ〜別に〜」
「別にって……何かあったら言えよ、相談に乗るぞ?」
「それじゃあ……」
目を輝かせて少し上目遣いで言ってくる。
「なんでさっきの台詞の語尾に『!』がついたの?」
「はい!?」
もっとダメだ!これは意味分からん。でも一番不明なのは、こんなことを考えてる自分自身だな。反省。
 いろいろ試行錯誤した結果、無難にいくことにした。
「ののかー」
「う〜ん?あ、みなとぉ〜何〜?」
「えっと……」
いざとなると言葉って不親切だよなぁ。
「その……」
「用がないなら今は気にしないで〜。眠いのぉ〜」
「そ、そっか。じゃあ後でな」
う〜んと生返事をするののか。
本当に眠いのか知らないが、そっとしとくのがいいのかもしれない。
 今度は委員長キャラの榊原に視線を向ける。
が、思考をめぐらせる前に、本人と目があってしまった。
ずっとお互い視線を逸らさないという、なんとも気まずい状況だ。
距離はあるので、まだましと、自分をなだめよう。
しかし限界もあり、榊原も不審に思い始めたらしく、首をかしげている。
何?というように表情もつけてきた。
やばいぞ……
「えっと……」
「藍川湊」
「はい?」
呼び捨てで呼ばれるときは先生か、こいつしかいない。
「なんだよ、霜月」
「ふん。あんたがみんなの委員長さんに変な目配せしてるから、助けてやったのよ、あっちをね」
と榊原を指差す。
「ははは……目配せなんか……」
霜月の鋭い視線に耐え切れず、あえなく撃沈。
「……もどきをしました。はい、視線逸らせませんでした、はい」
「あーあ。感謝しなさいよ」
面倒だわとかいいつついろんな場面で僕を助けてくれる。
第一印象は最悪だったけど、最近はいい面も見たからか、もっと馴染めそうな気さえしてきた。
 そんなたわいもないことを思いながら学校は終わる。
帰りはまた、ののかと一緒で、帰りに「家に寄ってよぉ〜」
というののかの意見で、久しぶりに立ち寄ることになった。