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Re: トゥモロー&トゥモロー&トゥモロー(短編小説) ( No.21 )
日時: 2011/04/30 00:38
名前: そう言えばこしょうの味知らない (ID: LMtRhfuT)

ちゃらら〜ん。
なんか絡み辛い吉野が仲間になった。
HP:そもそも喧嘩しないので測定不可。
MP:中二かっ
得意技:四則演算(会計なんで)
サブ:そろばんアタック&そろばんスケート(なんとなく分かって)
以上が吉野の(想像上の)ステータス。
いやさぁ、コイツの事あんまり知らないから、こんなRPG風になってしまったのです。

さて。
 放課後、そんなタノシイナカマを率いて、例の床下部室に押しかけることにした。
もちろん清水も参加して計3人となった俺たちは早速、剣道部室の前でユトリ先輩に首根っこを捕まれた。実際には吉野だけだったが。

「おととっ。なんばすっとね!!」

おい、それは関西弁じゃないぞ!
なんか吉野のキャラが崩壊しつつあるますが、ほっといたらいいと思います。

「いかにしてお主がここにおるのじゃ!!白状せいっ!!」
「ちくと覗きにきただけやさかいっ離して〜やぁ。くっ、くる、じぃ」
なんせユトリさん含め、二人とも語尾に難癖があるので相手にするのが面倒ですヨ。
いや、片方だけはワザとらしいから吉野はまで……まぁいいの、首絞められてるけど。

「どうもこんちは、ユトリ先輩」

目の前の殺人未遂を無視して俺が(なるべく)気軽に挨拶しているのに、清水が少々戸惑ったみたいで俺を見ていた。すると、ようやく合点したのか、それから目が首から下げているフィリップに降ろされた。

「おぉ!! 君たち、よくきたねぇ。まぁゆっくりしていってよぉ」
……どこで?
— こんにちは お久しぶり です —
お前はちょっとおそかったなぁ。まぁ、仕方ないよな。

「た、たすけて。だ、誰かぁ……」
なんかホントに苦しそうだ。

「待ってなさい。今、天使に返してあげるからね☆」
「先輩ストップ」

さすがに今の発言は止めざるを得なかった。フラ○○ースの犬を子供の頃見てしまった以上、それだけは許せない。二度とプアチルドレンは増えて欲しくないと思うようにもなったのだ。父さん母さん、貴方がたのお子さんは神父になれる。

なんとか説得して吉野は離された。なんか床に手を突き、苦し紛れにむせ返り、息を整える吉野がなんとも哀れに思えてしまった。
俺がいなかったらどうなっていただろうか? そんな感じ。
てか前にもここに来たことあるらしいし、そんときはどうなったんだろうか?
 心の中で解けずに積もる疑問を抱えて、苦い顔になっていた俺に吉野が顔を上げて。

「お、おおきに」
礼を言う。
「あ、あぁ。」
答えはタジタジだった。ひょっとするとまだコイツに慣れてないのかもしれない……のかなぁ?
「ふんっ。まぁ今日は特別に参加させてやるわ!! 感謝なさいっ」

ん〜……。なんかユトリ先輩の発言もろとも、俺はモヤモヤするんですけど気のせいかなぁ。

横に居る清水も苦笑いをしている。同じ気持ちにでもなっているのだろうか口頭で言ってもすぐには帰ってこないから聞かないけどさ。

「へぇへぇ。やっぱユトリはんごっつ怖いわぁ〜、いきなり首しめっかえ!」
「ちみがいきなし現れるからユトリちゃんの防衛システムが正常に動いただけよ」
「ほ〜う。しっかし、前にもこんな事しやがったなぁ。そん時は抜け出せたんやけど、前より成長しとるんか抜け出せんかったきに、あせったで〜」
「ぬははは、ま〜ね」
「おまけに、前より背中の違和感がアップしおった。そこもちゃんと成長しとんのなぁ」
「ま〜ねぇ。…………ちみ?」
「なんや?……ちょ、まずっ!!」
「こぉらぁぁぁ。てめ〜!!!!」
「ぎゃぁぁぁぁっぁあ!!!」
 
……え? どうかしました? え? また首絞めはじまってる? あ、マジっすか。
なんやかんや言って仲いいんだっぺよ。
 そんな事よりも今さっき清水の顔色を窺った時、相手がその視線に気づいたらしく、フィリップに書き込みを始めた。今、それが仕上がるのを待っています。だからそっちは見えナ〜イ見えナ〜イ☆
 やっと書き終えたのか俺に内容を見せてくる。

— なんか とっても 仲が良さそうだね —

……それには少し間をおいて答えることにする。

「そうだな、二人でなんでもやって行けそうだ。悪い意味で」
— なんか 羨ましいね —
「そうかな。また首絞めてるし……」
— なんか いいね —
「…………」
そうかぁ、首絞めるのは善いのか〜……全然違うか。

文字は消してまた書くそんな感じだった。一回一回に間が出来て、その間にいったい何を伝えたいのか考えたけど、ハッキリしない。というかチグハグで本人すら分からないようだった。

— なんか だけど 全部 —
「……そんなもんかね?」

それとも何かを言いあぐめているのか。結局、間は沢山あったのに俺が考えつかなかったので今の会話は無駄になった。清水もばつが悪そうな顔になる。

ただ一つ、清水が先ほど合点して、そのままユトリさんに挨拶した理由とこの会話の骨子は不思議とイコールなんじゃないのかなって思えた。