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Re: トゥモロー&トゥモロー&トゥモロー ( No.24 )
日時: 2011/04/30 00:56
名前: そう言えばこしょうの味知らない (ID: LMtRhfuT)
参照: http://loda.jp/kakiko/?id

「…………」
「彼は今、永遠の花園を彷徨っているのね」
「誰のせいだと思ってるんですかっ! 自分の事棚に上げる労力があるなら、まずこっち運ぶの手伝ってくださいよ!」
「え〜私、ライズよりレイズ専門だから、初めから地に付いている奴は上げようがないわ☆」
「そりゃぁ、ペテンな超能力者みたいっすねぇ!! だったら丁度単語の始めの母音がラスト一個頑張って浮いてるんだから。まずはそこから三個上に上げていこうか!?」

吉野の状態は危篤。結構ヤバかった。目がだら〜んとして顔がふにょ〜んとして、普段のイケメンが台無し、ま、それはいいんだけど。

目の前の剣道部室ドアを空ける。とりあえず、どこか寝かせられる場所は……あった。
丁度5〜6人が座れるような長椅子が、映画でバスケット部なんかが所有しているようなものが思いの他剣道部にもあるようだった。それから純一と俺で椅子まで吉野を運び、仰向けにする。
体温と心拍はなんとか保っていた。……窒息による一時的に気を失っているだけなのかもしれない。俺と純一が大体吉野の状態を把握していると、残りの二人も部室に入ってきた。

「おいおい。まだ何にもやってないのに廃部にする気かよ、ユトリ」

そのうちの一人に純一は冷静に応対する。顔はさすがにニヤニヤしないで、真剣だった。

「死ぬのかしらね〜あのくらいで」
「あったりめーだろっ、このアホ」
それから手刀がユトリ先輩の額を軽く叩く。
「痛っ」
「コイツだって人間なんだ、首締めりゃぁ死ぬ」
「……あ〜そーだね、うん。ごめんね純一」
「俺にじゃぇねーだろっ」

長身がちんちくりんを黙らせる。それは傍から見ると、まるで親父に叱られる子供のようだった。
「雄次」
「え? あ、あぁ何?」

高等生徒会長が下等に怒られている。これまで見たことの無い画だったものだから思わず見入ってしまった。ユトリ先輩を注意する……腐っても会長の彼女をそんな風に出来るのは……あ、いるか。てかこんな感じじゃ、多分皆そうだな。俺もため口になったし、決して珍しいことじゃないのかな?

「吉野くんだっけか。大丈夫か?」
「あ、あぁ。多分気を失ってるんだよ」
「了解」

叩いてからも純一の目線はずっとユトリ先輩だった。彼女も後ろめたいのか俯いて動かない。しかし段々居た堪れなくなったのか、
「あ、あのさぁ、ご、ごめんね。心配かけて」
場の空気を換気するためにユトリ先輩が謝罪してきた。
「ホントに……」
ユトリ先輩の表情が段々暗くなってゆく。 ……さすがにそろそろ可哀想なんじゃないかなぁ?そんな念を目線に込めて、今この場を指揮する人物、副部長こと純一を見つめた。そんな俺の視線に気づいたのか、純一はそれに同意するように……
「はぁ、わーたよ。部活やんぞ、ソイツの目が覚めるまで。」
いや、まるで観念するようにもらす。

「おいっ何時までショボクれてんだよ、チビ」
最後のは余計だろっ
「んなぁ、ち、チビですってぇぇぇ!!!???」

 それがまた癇に障ったのか、ユトリ先輩が大声を上げた。て、あんた立ち直りはえーなぁ

「誰がチビっ!? 私がチビ? おまんがチビかぁ〜〜!!!!」

 よっぽどの事だったのか、ユトリ先輩が純一に食いつく、首に。

「ゆ、ゆとりっっぐ、ぐぇぇぇ!!」
「ちょ、ユトリ先輩!! 被害者増やさないでくださいよぉぉ〜!!」

 横たわったいる吉野を置いて、俺は純一の救出に向かった。
あ、忘れてたけど、清水は部室に入ってからずっとポカーンとしていた。
お前ってやつも!そのままでいるつもりなら、先輩剥がすの手伝ってくれぇ!
ユトリ先輩といい、男だけじゃぁ出来ないことだってあんだからさぁ!!

ホントっ誰かぁ! 色々この部に教えてやってくれぇ〜〜〜!!!!!