コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: トゥモロー&トゥモロー&トゥモロー ( No.27 )
- 日時: 2011/05/04 10:15
- 名前: そう言えばこしょうの味知らない (ID: LMtRhfuT)
- 参照: http://loda.jp/kakiko/?id
そう言えば、あの床下収納には俺も入れられた事があったなぁ。明るいユトリの性格とはかけ離れた薄暗い、怪しいものだったのに、そろそろ観念して廃部にでもしてくれんのかなぁなんて思ったものだ。
「純一?」
そんな考えに浸っていると、声を掛けてきた相手が居た。俺が昼休みなんかにいつもじゃぁないが、からかう可愛い男子。……チガうっそんな意味じゃねぇ。コイツは顔も体つきもほとんど女らしいんだ。ちなみに声も甲高い。なんか可哀そうだが、俺は結構気に入っていたりする人物なの。
「ん? あぁ、わりぃな。続けてくれ」
「うん……さっきからボーとして」
「別に」
「そう? ユトリ先輩が終わりにしようってさ」
「そうか……わりぃ、俺サキにあがらしてもらうわ」
「え? なんか用事なの」
用事ねぇ。まぁ習慣のようなもんさ。
「ん、まぁな。じゃ、そうゆうコトで」
「うん、気をつけて」
四時。ん? あぁ時計が指している時間だよ。十二時から百二十度。
あの“ビョウシン”がひたすら時を刻むごとに、俺はもう一つの“ビョウシン”を思い出すんだ。あの時計の“ビョウシン”が進むたびにもう一つの“ビョウシン”もある意味進みだす。……ばかだなぁ、進んだら、お前が進んだら、どうなると思ってるんだよ。
「どうしたの? 時計凝視して、時間が気になるの?」
「あぁ、いやなんでもねぇ。じゃな」
気になるのはいつものことだ。
その後、高校を後にして、俺は駅に向かった。
そこの駅は周りに高層ビルや下にはデパ地下が広がってるらしい。
国道四車線の歩道には人がごった返し、少し歩き辛い。隣の道路からも排気ガスなんかの匂いが酷く、未だに俺はここの空気に慣れない。これじゃぁ郷土焼きとりのおっちゃんが来れないのも当然か。
駅前に着いたので、そのままバス乗り場へ……
まぁ大体こんな経緯で俺は海辺に作られた巨大総合病院へと足を運んだ。
ソラを仰ぎ見える。まだまだ病院がある。約68度。まだまだ くぅ、75度。まだまだ うぬぅ……九十!! さすがに止めといた。こんな敵対心びんびんな野郎がここでお世話になるわけには行くまい。ここには幼い頃なんもかんも注射で済ませるんだ! とホンキで思っていたからなぁ。今でもどちらかと言えばハンコ注射がいい、でもあれ絶対に効かせる奴じゃないな。
さて、総合病院事態がものすごく高いのはお分かり頂けただろうか? 全く避難のときはどうするつもりなのだろうなぁこれ。
ま、ここにライバル心を抱いてる場合じゃないな。本題と参ろう。
入り口の自動ドアを抜けて、受付へ。手続きをとって、エレベーター……七階。早速、病室へ向かう。
ある白い横引きのドアの前に立つ。別に乱れてる訳じゃないが呼吸を整え、惰性なるものを遂行すべく、とってに手を掛ける。
「あ、純一兄ちゃん」
いつもこの室内には一人の少年が居る。ドアの向かい側の窓は少し開けられていて風や幻想なるものが、開けられたドアに吸い込まれていく。まるで俺がここを開けるたびに、ぽろぽろと崩れ行くように。静かな何かがそっと頬を撫でて流れる。
「よぉ、浩太。無駄に元気そうだな!」
それでも俺は、ここを訪れるのを止めない。コイツが居る限りずっと。俺はそっと幻想を崩すのだ。