コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: トゥモロー&トゥモロー&トゥモロー ( No.28 )
- 日時: 2011/05/12 23:02
- 名前: そう言えばこしょうの味知らない (ID: LMtRhfuT)
- 参照: http://loda.jp/kakiko/?id
「ん? 清水何やってんの」
初部活が終了して、ユトリ先輩は遅くなるからと先に帰っていった。
俺もそれに続いて帰り支度をしていたが、清水が吉野の側から離れないのを疑問に思ったので近づいて声を掛けた。
清水は後ろを向いて、俺の方を見るなり何か書き出した。
— 副部長 が 吉野君 を 見ていて って —
「……あぁそうか。そう言えば、んなこといってたなぁ。ていうかコイツの目が覚めるまで部活だっけか」
お前は偉いなぁ、純粋に相手してやって。でも、二人とも帰っちゃったしなぁ。それにほっといても後で水で戻せそうな奴なので、大丈夫そうだろうし。
— 雄次 は どうする —
どうするねぇ。まぁ、ソイツの自業自得な気もするし、そもそも俺たちの責任じゃないだろぅ? ……ん? 待てよ? ここで俺が残れば女子としばらく二人っきりってことか……待とうじゃないか。
「そうだな。俺も一緒に待つよ」
なーんて出来るだけ冷静に言った……おkっすよね? いや、下心なんてもんは男の娘になってから既に捨てたようなものですし。四分の三ガールズトークといこうじゃぁないの!! トークかぁ。こっちは甲高い、相手は文字。なんか色々隔てるもん多くねぇですか!?
清水は俺のこの下心が99パーセント除菌(最も輝く1パーセントはあるが)の返事に嬉しそうに頷いた。それから吉野に向き直り、彼の頭に濡らしたハンカチ(っていつ濡らした?)を置いた。
し〜ん。……え? なんすかねこれ?
すんげー静か、吐くかも。それは無いが気分が悪くなりそうだ。おいおい、なんじゃこりゃ美玖たん!! さっきから10分ずっとこんな感じだよ、静けさが鉄筋コンクリートに染み入ってばかりじゃないか。セミが逝ってらっしゃるじゃないの。
「あ、あのさぁ。清水?」
清水がこちらを振り向いてくれた。よかった、寝てはなかったんすね。
いやいや、それ以前にこれなんとか空気入れ替えないとっ、し〜んすぎてち〜んだ! 引きこもり設定だろうが知ったこっちゃねぇ、そろそろ喋りたいお年頃なの!!
「清水にはちゃんと目的があってこの部に入ったんだろ?」
清水の動きが止まる。……って感じ。書き書き。でも手元は動いている。
— 雄次 には ないの —
「俺? そりゃぁ、ユトリ先輩に流されただけだから、なんとも」
俺のチグハグな返事に清水は微笑んだ。
— そっか —
「清水には?」
書き書き。
— 私も 実は 流された って感じだから —
「なんだ、同じだったのか」
消し消し。書き書き。
— というより —
「うん?」
消し消し。書き書き。
— 運命 とか 信じ ちゃうから かな —
「……ほぅ?」
消し消し。書き書き。
— 何か 変われるかな って 待ってる 感じ —
「……おう」
なんか久しぶりに会話の熱気が冷めなかった気がして、感慨に浸る。
— やっと 始まるんだね —
「あぁ。そうだな」
— ちょっと 前置き が長かったよ —
「俺の冴えない突っ込みのせいで、反省します。あとユトリ先輩も」
それを承諾した作者もな。
クスッと清水が大人な笑いをする。思えばコイツはいつも笑ってばっかだなぁ。上から目線なら、大概にしてほしいものだ。
「あいいたた……ほんなら、ワイのも必要やったんやろか?」
さっきまで仰向けに伸びていた吉野が、額のハンカチを摘みながら体を起こしている。
「清水はん、おおきに。ちーとは休めたきに、これ返すわ」
「なんだ。失神してたんじゃないのか?」
— どうしたしまして —
また……お前はちょっと遅かったな
「二人の会話聞いてたで〜なんやごっつ静かやなぁ。噴出しそうになったでぇ」
「やっぱ、お前もっと寝てろ」
ユトリ先輩がなんで成敗したくなるのか分かった。こいつ一言多いんだ。
— いよいよ これから だね —
「あぁ、やってやろうじゃないのさ」
と、いうことで。某高校ボランティア部ここにひっそり開部。
今度こそ嘘じゃない、本当さ。