コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: トゥモロー&トゥモロー&トゥモロー ( No.30 )
- 日時: 2011/05/28 11:53
- 名前: そう言えば、こしょうの味しらない (ID: LMtRhfuT)
6月の第四月曜日。昼食をとるため、屋上に行く途中だった俺はユトリ先輩に呼び止められ、そのまま訳も話されず床下部室……ではなく、三階のデッキへと向かうことに。そこには見知った三人のボランティア部員が立っていて、談笑を楽しんでいた。
一年生の中で、純一もちゃんとそこに順応していたので、さすがザ・能天気。
でも、俺とかかわる時の意地悪そうな笑みはない。なんかムカつくのですが……。
このデッキを階段で上にあがると、そこは屋上。だから、学校の中ではほとんど利用されない場所。そこにボランティア部が急きょ集まることになった理由もとい俺たちを呼び出した理由をユトリ先輩がのたまった。
「いやぁねぇ、初依頼が飛びこんできたのよ。」と。
「ちゅーことで。早速ですが念願の初依頼が昨日来ましたぁ。
えーと、こんな感じにFAXで届いてくるの。特にエイジと吉野は覚えとくようにね」
「圏外じゃないとは思ってましたが……それにしても随分本格的なのがきてますねぇ」
初依頼。その内容を簡単に言うと、ある介護・老人ホームのお手伝いだった。
「ホンマやなぁ。年寄り相手っちゅーたら、ちーとばかし難しいかもしれへん……ユトリはん、これって断ることできるんか」
「なぁにぃぃぃぃぃ? 君ら、んな弱気でどうすんの!? これからもっと大変かもしれないじゃんかよ〜。少年よ、大志から逃げんな」
某博士もビックリな強制力で説得を開始する先輩。でもなぁ……申し訳ないけどできるかどうか分からないものは、せめて初活動にはよした方が良いんじゃないかって思う。
そんな俺の心情に気づいてくれたのか純一も口を開く。
「ま、たしかにな」
「ちょ、純ちゃんまで」
「純ちゃんってなぁ……いや、な。こいつ等も荷が重いんだよ」
うん。そういうことか、簡単に言えばね。
「もちろん俺だってそうだ。老人とあんま接したことねぇから……」
それは何時かした、ため息に類似していた。言葉の最後が呆れと諦めを含んでいて、聞いていて決して快い物じゃない。でも、それをしたくなるのはなんとなく分かってしまって、どうにも言えなくなってしまう。
解決が困難な空気になり始める。でも、そこに水を差す人物が後ろに。
クいっクいっ。誰かが俺の制服のワイシャツを引っ張る。それから後ろを向くと、清水がワイシャツの袖を掴んでいて、それから俯きがちでフィリップに何事か書き込み始める。
— みんな やりたく ないの ? —
「……あ〜、そういう訳じゃないよ。ただ、ちょっとやるかどうか悶えているだけで」
それを聞いて、どう思ったのか清水は頷いた。
— 私は やりたい かな って思う —
「……ん、そうか」
そう言えば、俺は一応清水のサポートのようなもんだし。俺の中で今回の決定は、いつの間にか清水の意思で判断するように仕組まれてあったと思う。ということで。
「ユトリ先輩?」
「な、なんだよーへっぴり腰人間一号め」
なんじゃそりゃ。
「まぁ、その。何はともあれ、俺と清水は参加予定ってことで」
「え? あ、え?? お前ぇ〜いいんなら初めからそう言えばいいじゃんかぁぁぁ!」
「すみません。何しろ、今決まったもんで」
空気も雰囲気も逆風だけどさぁ。
とりあえず、この部では清水が俺の30%の決定権を握ってんで。