コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: トゥモロー&トゥモロー&トゥモロー ( No.36 )
- 日時: 2011/05/23 15:09
- 名前: そう言えば、こしょうの味知らない (ID: LMtRhfuT)
「そろそろ放してくれってさ。しつこい男は嫌われるぞ」
「え〜もうちょっといいじゃぁん。すりすり」
すりすりってぇ……もう誰かぁぁ、たすけてぇ。
「こしょうのように薄味で生きる方が丁度いいさ」
「こしょうって薄味なの?」
「う〜ん。どうだたっけかなぁ?」
先輩が顎に手を当てて悩み始めた。依然私の胸元には毛布を被った男の子が。まだ看護婦さんだと思っているみたい……かわいいのかな?
母性が沸かないから違うと思う。
「というか何で黙ってるんだろ? このナースさん」
「あぁ、違う。俺の彼女。だから放せよ」
「えぇぇぇえぇ!!!!!」
先輩のなんか変なことを。でも仕方ないよね、一応その設定は言われていたことだし。彼女かぁ……そう言えば、どう振舞まったらいいの?
「兄ちゃん、彼女できたの!? どれどれ」
毛布から手が出てきて、それが布を掴んで投げた後、やっと毛布に巻かれた男の子の顔が表れた。それは茶髪でパーマが軽くかかっていて、目はおっきく、明らかに10歳ぐらいの男の子だった。
「……うわぁ」
その途端、男の子の顔が初対面なる私の顔をまじまじ見てから、軽く溜息をする。瞬間的に目はより大きくなって、私の輪郭をその虹彩の中に軽く溶かしている。
「こ、こんにちは。あ、あの。ごめんなさい」
どうしたのかイキナリ態度が変わってしまったかのように顔面を赤くしだした。いやいや、良いわけが無いでしょうに。ふ〜ん、とりあえず返事を返して見ますかね。文字だけど
書き書き。
— こんにちは —
「……おねえちゃん、喋れば?」
……この場に少しの沈黙が流れる。それにしまったっと男の子は反応した。私は隣の真田先輩に目線を送って続きを促してみることに。
「いやぁな、浩太。この子さぁ声が出ないんだ」
「ほう、そうなんだ。やっぱり」
「やっぱりって?」
それから男の子こと浩太くんは私をまた見つめて、
「だって。おねえちゃん、健志くんと同じ匂いがするもん。健志君も喋れないんだよ」
……
— 私 と 同じ なの ? —
「うん、ここにはおねえちゃんみたいな人結構いるよ」
そっか
— コウタ くん みたい な 人も —
「……っ!」
今、真田先輩の詰まったような息が聞こえた気がする。
「うん」
そっか
— それじゃぁ
寂しくないね —
……あれ?さっきからなんてこと聞いてるんだろ。 私最低だよ。これじゃぁいつかあの結論に行き着いちゃうのに……。
「でも……」
誰も触れたくない、言いたくない あの結論に落ち着いてしまう。
「でも、みんな死んじゃうんだよ。せっかく仲良くなっても」
なくなっちゃうんだ。
そう言って、男の子の顔はただただ笑っていた。