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Re: Cherrytree road 〜桜の道〜 ( No.109 )
日時: 2011/05/14 16:20
名前: ハルナ (ID: yMr7nvgj)

第十三章 崩壊

「まこっ、パスッ。」
「ヘイ、シュート!!」
サクッ…
「やったぁー!」
無邪気に喜ぶ二人。
昼休み、私と蓮華が、いつもの定位置で、サッカー観戦をしていた。
いつ、だれが、どこで、なにをしていたという文に基づいて表すと今はこんな感じである。
今日は私たちのクラスが校庭を使える日で、私たちだけの定位置—ホールの隅っこでおしゃべりもしながら優雅にサッカーを見ている。
そういえば始業式が始まったばかりに行ったバスケの試合で芽衣に地獄の日々がなんとかと言われたが、どこが地獄だ。
ふつーののどかな風景ではないか。
「花苗! チャイム鳴ったよ、教室戻ろう。」
「あ、そだね!」
私達はパタパタと向かいの教室に戻っていった。
   ☆   ☆   ☆
「沙夜、じゃ ばいばい!!」
委員の活動後、私はバレー仲間で同じ委員の沙夜と忘れ物をしたと教室前で別れ、6の3の教室に入っていった。
誰もいないことを確認し、ドアをぴしゃりと閉める。
8月後半だからか、外はまだ明るい。
暗いほうがいいんだけどなぁ・・・誰もいない教室に呟き、あることを実行しようとしていた。
がたがた、私がいすを引く音だけが聞こえる。
そっと机に触れると、心臓が高鳴る。
再度周りに誰もいないことを確かめてから、いすにゆっくりと腰を下ろす。
真琴くんの席からはこんな景色がみえるんだぁ—。
机に頬をくっつけ、いろんなことを考える。
一人だけ、ほかとは違う光を放っていた真琴。
それは慣れるまで眩しくて。
綺麗だなって思ってたんだ。
サッカーをしている真琴が、一番好きだった。
生き生きしてて、真琴だけを目で追っていたなぁ。
私には、無い物。
羨ましくてもあって・・・。

あ、時間…!
現実に引き戻されて時計を見ると、5時を差している。
委員が終わったのは4時45分だから、15分もここにいたことになる。
玄関が閉まる前に帰んなきゃ!
丁寧にいすをしまい、教室を後にした。
   ☆   ☆   ☆
上履きを自分の下駄箱に入れようとした時、左の靴の中に白い紙切れが入っているのに気がついた。
「ん?なんだぁ?」
首をかしげながら開けてみた花苗は、絶句した。