コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Cherrytree road 〜桜の道〜 ( No.7 )
- 日時: 2011/04/09 10:23
- 名前: ハルナ (ID: HYBdaZWe)
第二章 金木蓮華と桜音芽衣
私が6年生になって一ヶ月が経過していた。
あの教室にも、だいぶ慣れたかなあ……。
なんて考え事が出来るくらい退屈。
今日私と樹里は、中休みに図書室に来ていた。
なんでかっていうと、私が宿題の調べ学習を忘れていたから。
樹里は親切に付き合ってくれたのだ。
「花苗ちゃん、資料見つかった? 図書委員会の仕事終わったから、手伝うよ。」
「ありがと、樹里は頼りになるよ〜!!」
私たちは二手に分かれて資料を探していたが、お目当てのがなかなか見つからない。
そうしてるうちに時間が過ぎてゆく。
ふいに時計を見るとあと八分しかない。
やばっ! あっちも見ないといけないのに。
別なところ探そうとして、タッと走る。
えっ? 人がっ……。 ぶつかる—!
・・・・ったあ。 なんとかぶつからずに済んだようだが、本棚の角に足をぶつけてしまった。 それより謝らないと…。
「えっと、すみません……。私の不注意で。」
言い終えて顔を上げると、同じクラスの金木蓮華が戸惑いながら立っている。
いつも1人で本を読んでいて少し気になっていたのだ。
さらにバツグンのスタイルで、自分の持っているピ○レモンという雑誌に出てくるモデルさんにも劣らないのではないかと思う。
「ちょっとお、危ないじゃん! 気をつけなさいよっ。」
影で見えなかったが、後ろには1組の桜音芽衣が金切り声を上げている。
「芽衣ちゃん、そこまで言わなくても・・・。
えっと、大丈夫ですか? 花苗さんっていいましたよね?」
「あ、ハイ そうです。」
「それでは おだいじに。」
蓮華は軽く頭を下げ、本を返しに行っていた。
芽衣はキッとこちらをにらみ、蓮華の後に続く。
桜音芽衣って感じわりい〜。たしか一部の人からウザがられていたような・・・。
「花苗ちゃん、これなんかどお?」
後方から樹里の声がする。
「いま、桜音芽衣と蓮華ちゃんが。」
そうつぶやくと、ほぼ間が無く樹里が言う。
「あぁ、金木蓮華ぁ? 私、あの子嫌い。真琴君の隣の席だし。
花苗ちゃんも仲良くしないほうがいいよ。」
「ふーん。」
とは言ったものの、仲良くなりたいなと思ってたんだけどな・・・。
無事、調べ活動を終え、帰ろうとした時二人をチラッと見る。
会話が少し聞こえてくる。 きっと声が高い、芽衣の声だ。
「蓮華のクラスの転校生、私狙っているんだ〜。」
・・・・・・・「そ、保田圭吾っていう人。」
「蓮華にも協力してほしいんだけど、いい?」
・・・・・・・「だから圭吾の———。」
キーンコーンカーンコーン・・・ 絶妙のタイミングでの中休みの終わりの鐘。 結局聞けなかった。
「花苗ちゃん、はやくいこ。」
樹里が言う。
私は続きを聞くのを諦めて、そそくさと帰る。
この聞けなかった部分は、こう言っていたのだ。
「だから圭吾の席近い女子とかマークしていて欲しいんだよね。あと私のほかに圭吾を狙っている女子とかさあ。」