コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Cherrytree road 〜桜の道〜 ( No.70 )
- 日時: 2011/04/10 22:03
- 名前: ハルナ (ID: WPJCncTm)
第八章 気持ちに気づく時
暑い、暑い 夏休みが始まった。
いくらここが青森だとはいえ、夏は暑いし冬は寒い。
そして、私には徐々に思うことがあった。
—真琴がいないと寂しい。
この気持ちは姿や形、そして言葉を変え、胸の中にいつもとどまっていた。
——好き
考えるだけでも恥ずかしいが、もうこれしかないのだからしょうがない。
今日だってこうやって—偶然を装い、真琴がいるかどうかも分からない校庭に向かっているのだから。
夏休みの間も1人でサッカーしていたり…と思って2日ほど通ったのだが、姿はない。
今日もやっぱり…と思って校庭を見た瞬間、あっ…と私は、思わず声を漏らしてしまった。
そこには真琴がいて、サッカーをしていた。
やった☆
なあんて思っちゃった私がいて、偶然偶然と心の中で唱え、真琴の方へ向かう。
「真琴くん?! 夏休みの間も、関心だね〜!」
私が声をかけると、真琴が汗を拭って私の方を向く。
「あれ、帆原じゃん?! 足完治したんだね!!」
真琴の言葉を聞く度、ドキドキする。
そして 言葉や仕草、1つ1つが、心にすんなりと溶け込んでいく。
これが、好きなんだなぁって思うと、余計ドキドキする。
平常心を装い、いつものように言う。
「うん、おかげ様で。今はお使いの帰り!」
お使いというのは、真っ赤な嘘。
今日発売の漫画を買いに本屋に行って、遠回りだけど校庭へ向かったというのが本当。
「あ、これ!」
と言って、お使い用の袋からさっき自動販売機で買ってきたスポーツドリンクをヒュッと投げる。
「お、サンキュー!」
「じゃ、練習頑張って! バイビー☆」
よしっ! 今日は真琴に会えたぞ〜!
嬉しそうに走る花苗の後ろ姿を確認している人物がいた。
プルルルル……
「じじ?今帰るから、車よこして。あとさ、帆原花苗と8月7日にでかけるからよろしく。それまで私は前言ってた温泉旅行で伊豆にいるから。」
パチン。
空色の携帯電話がもう一度震える。
「芽衣ちゃん?うん、予想通りだったよ・・・もし圭吾くんが花苗ちゃんのこと好きだったら、振り向かせないと!じゃ、お互い頑張ろう!」
7分ほどで外国の大きな車が現れた。
それに乗って彼女は何処かに消えていった。