コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Cherrytree road 〜桜の道〜 ( No.8 )
- 日時: 2011/05/03 12:07
- 名前: ハルナ (ID: aEqZL8P4)
第三章 席替え
「やっと席がえだ〜!」
朝起きて言った事。 今日何度も口にした。
そう、今日は待ちに待った席替えなのだ。
6年生になってからすぐにあるテストとかでかなり伸びていたのだ。
やり方はくじ引き。今年初めて採用されたやり方で、すごーくドキドキする!!
やっと前の席の日野がくじを引いている。
すぅうっと深呼吸をして回ってきたくじ箱の中にいっきにうでをつっこむ。
引いたのはいいけど、全員が引くまで見られないのがもどかしい。
最後の保田が引き終え、いよいよ見れる。
意を決して紙を見ると、「27」と書かれている。
黒板を見ると、窓側の後ろから2番目らしい。
そこは、元の席から斜め前に移動するだけだった。
すぐ机を移動させて、隣を待つ。
誰だろう・・・
少し待つと誰かが来た気配がした。
「よっ!」
「あ、真琴くん!」
声の方向を見上げるとそこには真琴がいた。
「おれ、21番だったから。」
と紙を見せる。 そこにはたしかに「21」と書かれている。
「これからとなり、よろしくな。」
ニッと見せる笑顔は爽やかで、人気があるのも分かるような気がする。
「またかよ、花苗〜・・・。」
この声はっ! 日野陽翔。
名簿順でも前の席だったし今度の席は斜め前の同じ班だ。
陽翔の隣には保田がいる。
「たしか保田って水城でバスケ部・・・」
「水城!?」
私は、思わず大きな声を出してしまった。
水城小学校はバスケの華。バスケに詳しくない私だって分かるくらい、有名だ。
「そ!おれ、水城ではバスケ部5年リーダーだった!んと、真琴、くん よく知ってるね!!」
「もちろんっ!なんたって・・・。」
楽しそうに話す2人をよそに、陽翔の席の近くで蓮華と陽翔がなにやら話している。
「金木 くじでもう—交換とか—。」
途切れ途切れしか聞こえないが、蓮華の手の7番のくじを見れば分かる。
はっ! 樹里はどの席…。
あのロングヘアは、樹里!!
二列目の前から三番目8番の席に座っている。
あーあ、離れちゃった・・・。
花苗は男子ばかりの班でも嫌だとは感じなかった。
☆ ☆ ☆
「花苗ちゃんは真琴君の席のとなりでしょ? いいなあ。」
「うん…そうだ、樹里の前に蓮華ちゃんいるじゃん?なんかこっちに来てもめてたっぽいんだけど・・・。」
「あ、たしかに。席移動してからすぐ行ってたよ。なんでだろうね。」
「ふーん…ありがとう。」
・・・蓮華は積極的なほうじゃないのに。
「そういえば花苗ちゃん、5月から部活あるよね。」
「そうだった!忙しくなるなあ。」
樹里と別れた後、想う。あのころは桜が咲いていたのに、もう散ってしまった。
今年の桜は終わりなんだ。そう思うとなんだか悲しくなる。
次に桜が咲く時には中学生だ。
—私は、どうなってる?
今はまだこれっぽっちも分からないや。