コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: おとぎ高校 のんびり部 ( No.26 )
- 日時: 2011/06/23 19:13
- 名前: ハナビ ◆257RLJJlG. (ID: j.y7OH4U)
第三話・素朴な疑問のお話。(no.2)
「白雪かあ……。う〜ん……。」
桃太郎は、白雪をみると腕を組み、悩み始めた。
私は作者であるから、何を考えているかは大体分かる。
大方、こんな感じであろう。
(白雪に話そうかなあ……。でもなあ……。悩むなあ〜……。)
「いや、違うし。」
桃太郎にいとも簡単にこう切り返された。
少しは作者の顔も立ててくれたらいいんじゃないの。
なんなの、この子。私の敵?
「じゃあ、どうしたのよ。あたしは作者じゃないからわかんないわ。」
白雪は首をかしげ、聞いた。
すると、桃太郎は立ち上がり、
「よっし!白雪に話す!あのな、あと2時間で地球は滅びる!」
「って……。力説するようなことじゃないでしょーがっ!!地球規模で危険だからっ!!!」
毎度のことながら、白雪は激しく突っ込む。
白雪を出して正解だったな、うん。
「いやあ……。さっき、友達の金星人から連絡が……。」
「地球規模の大発見してるじゃないのっ!!NASAに報告しなさいよっ!」
白雪は人目もはばからずに、大声を出しまくる。
それに気づくと、急に頬を赤らめ、
「もっ、桃!行くわよっ!!」
「え?どこに……うわっ!」
白雪は、有無を言わさず桃太郎を担ぎあげ、逃げるように教室を出て行った。
部室。
ずしゃあああああ
「どっ、どおしたのお〜?雪ねえと桃クン……。」
白雪と桃太郎は扉を開けた瞬間、ほんのわずかな段差につまずき、ヘッドスライディングしていた。
「いたたた……。あっ!スンっっ!!!!」
白雪は心配して近づいてきた一寸の腕をがっちりつかみ、いった。
「えっ?な、なに〜?」
一寸は困惑気味である。
顔が不安そうな顔つきになっている。
「さっき桃が言ってたんだけど、あと2時間で地球が滅びるらしいわよ!!!」
「あ〜。知ってるよお〜!」
「なんでよっっ!!!」
白雪は飛び起きると、そう突っ込んだ。
「あのね〜、友達の水星人から聞いたんだあ〜。」
「あたしも……きいた……。とも……だちの……、木星人から……。」
「僕も、さっき友達の天王星人から聞きましたよ。」
「あんたらどんな人脈してんだあああああああっっ!!!!」
一寸が衝撃の事実を述べると、後ろでこの一部始終を見ていた姫と涼太が次々に地球レベルの報告をしてきた。
しかも、近所のおばちゃんから聞いたみたいに、あっさりと。
「僕らの間じゃステータスですよ。」
涼太がいつものさわやかスマイルで言った。
「あんたたちとは感覚が違うのね……。」
白雪は、肩を落とし落胆した。
先ほどまでスライディングの痛さに悶絶していた桃太郎が、急に立ち上がり、衝撃の発言をした。
「あのさあ、今友達の金星人から連絡があったんだけど、地球滅亡を阻止する策が一つだけあるみたいなんだ。」
「地球滅ばなくてもいいのっ!?やった〜!」
一寸は、飛び上がって喜んだ。
「おう。んで、その策っていうのが……。」
「いうのが?」
そこにいる誰もが緊張した面持ちで桃太郎の言葉を待った。
「スーパーファミコンのマリ○のゲームで、全ステージクリアすることだっ!」
「なに!?そのレベルの低い打開策はっ!?」
キラキラした顔で力説する桃太郎に、白雪はすごい勢いで突っ込んだ。
すると、姫がすっと白雪の横に出てきて、
「……ファ……ミコ……ン……。どー……ぞ……。」
ファミコンを手に持っていた。
「えっ!?あるのっ!?いまどき持ってる子がいたのっ!?文明の化石よ、そんなのっ!」
白雪は、少し引き気味に言った。
「よおし。姫、よくやったっ!やるぞおっ!やろーども〜!」
「わあ〜い!やるやる〜!」
「……お〜……。」
「楽しそうですね〜。」
「いや、打開策を楽しんでいいの?」
と、盛り上がる仲間たちを眺めながら、あきれ顔で白雪はポツリ、と言うのであった。