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Re: おとぎ高校 のんびり部 ( No.32 )
日時: 2011/06/23 20:31
名前: ハナビ ◆257RLJJlG. (ID: j.y7OH4U)

来ましたっ!!!
なにが、とか思った方。いいじゃありませんか。よっていってくださいよ。



第四話・新入部員…えっ!?マジで!?のお話。



「ねえ、みんな〜。」

 一寸がいつもの口調で4人に話しかけた。

「なによ、スン。」

 白雪が先ほどから読みふけっていた「英語読解2011」から目を上げ、言った。
 他の3人も一寸に視線を送る。

「あのね、転校生が来たんだって〜。どんな子かなあ……?」

「俺、他人にはキョーミねえからわっかんね〜。」

 桃太郎がにひひ、と笑いながら今日のおやつの「ロックケーキ」をほおばる。

「あんたねえ……。あ、そういえばこの部活に来るとか来ないとか先生にいわれたわ。」

 白雪は本を閉じ、テーブルの上に置いてあった紅茶に手を伸ばした。

「……仲……間……増える……の……?」

 枕に顔をうずめていた姫がうずめたまま言った。

「喋るときくらい顔上げなさいよ……。」

 白雪は肩を落とし、ため息をついた。

「さ、みなさん。ショートケーキができましたよ。」

「やっほ〜い!ケーキだ、ケーキっ!」

「わあ〜。おいしそ〜!」

 桃太郎と一寸はとてつもなく嬉しそうである。

 そこへ。
 コンコン。扉をたたく音が。

「はい。どうぞ。」

 その音を聞きつけ、涼太が扉を開けた。
そこにいたのは……

「うわ、すっごい美人……。」

「きれいな黒髪ね〜……。」

「お人形さんみたい……。」

「……美……少女……。」

 こう4人が口々に言ってしまうほど、ものすごい美人であった。

「さあ、ここに座ってください。あ。紅茶でいいですか?」

 涼太だけは、表情を崩さない。
 その転校生は勧められるままに椅子にすわり、

「紅茶は苦手だ。知ってるだろう、涼太。」

 と、答えた。

 沈黙。

「涼っ!?知り合いなのかっ!?」

「ええ。まあ。」

「涼ちゃん、どういう関係なのお〜?」

「幼馴染です。」

「会話が長いっっ!!!」

 白雪のこの一言で皆が静まり返った。
 白雪はかたで息をしている。
 いつの間にか部屋の奥の簡易ベッドで寝ていた姫が起き上がり、

「……名……前は……?」

 と聞いた。しかも、あくびまじりに。

「香崎かぐや。」

と、かぐやはめんどくさそうにつぶやいた。

 まあ、そんなこんなでかぐやが仲間入りしたわけだが。
 かぐやの性格に問題があった。

 二日経ったある日……

「うお〜い!かぐや〜。」

 校門のところから桃太郎がかぐやを大声で呼ぶ。
 朝の登校ラッシュで、校門をくぐる生徒たちはおとぎ高校では有名人となっている、桃太郎の横を引き気味で通り過ぎていく。

 有名になっている理由は……桃太郎は、意外に運動神経がよく、ボクシングで全国大会に行くほどの実力者だからである。
 しかし、おとぎ高校にはボクシング部が無いため、学校では安らぎと平穏を、と「のんびり部」というただダラダラするだけの部活動を創ったわけである。
  ……こんな部活動を認めてしまう学校も学校だが。

 かぐやは、とてつもなく嫌そうな顔をすると、そのまま桃太郎の横を通り過ぎて行った。

「おい、かぐや〜。……つめて〜なあ……。これでめげるおいらじゃねーぜっ!」

 というと、ダッシュでかぐやを追いかけ、

「かっぐっやっ!」

 とかぐやの手首をつかんだ。
 かぐやは、その手を振りほどくと一言、

「ついてくんな。埋めるぞ。」

 とすごい目つきで言い、生徒用玄関に入って行った。
 そう、かぐやはとんでもないドSなのであった。