コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: おとぎ高校 のんびり部 ( No.33 )
日時: 2011/06/23 20:45
名前: ハナビ ◆257RLJJlG. (ID: j.y7OH4U)

壁|ω・`)もじ…

わ、忘れてないですよね、私のこと。
まあ、忘れてたら忘れてたでいいですけどね〜☆(いいのかよw

でわでわ!スタートでっす^^


第四話・新入部員…えっ!?マジで!?のお話。(no.2)

「……って言われてさあ〜……。」

 桃太郎は部室でものすっごく落ち込んでいた。
 それもそのはず、先ほどのかぐやのドS発言に、慣れていない桃太郎は本気で受け止めていた。

「あんたね〜。そんな本気で受け止めるもんじゃないのよ、そういうのは。」

 白雪は、いつもなら既になくなっているはずの桃太郎のポテイトチップスをつまむ。普段なら怒る桃太郎もこの時ばかりはそんな気も起きないようで、「あ……。うう……。」と言っただけであった。

「桃クン。」

 一寸が桃太郎に近寄り、言った。
 桃太郎がちらっと一寸を見る。

「ドМデビュー、おめでとっ!」

「いや、嬉しくないから!その変態デビューは!てゆーか、落ち込んでる時点でドМじゃないから!」

 パチっとウィンクする一寸に白雪は激しく突っ込んだ。
 すると、桃太郎は一寸の手を取り、

「なんだ!?それ、うまいのかっ!?」

 と、瞳をキラキラさせながら言った。

「うん!おいしーよ、いろんな意味で!」

「それ以上その変態トークを進めるなあああっ!」

 白雪は二人の間に割って入り、いつものように突っ込んだ。
……お疲れ様です、白雪さん。

「なによ、作者は見てるだけでしょ。口出ししないでよ。」

 はい、すみません。

 すると、扉が開いた。

「あ〜!かぐちゃんだあ〜!」

 一寸がかぐやのそばに寄って行った。
 かぐやは、少し動きを止めてから一寸の頭をなでた。
 『この子、ホントは優しい子なんじゃ…。』
 と白雪が思っていたのもつかの間、次の瞬間、かぐやはすごいことをした。

「いたたたたたた!いたいよお!」

「わたしに気易く近寄るな。天井からぶら下げるぞ。」

 一寸の頭をぐりぐり、というより、ゴリゴリと拳で痛めつける。
 そのかぐやの背後には真っ黒なオーラが立ち込めている。
 『……あたしは……バカだったのね、うん。』
 白雪は本気で後悔した。

「かぐや、そろそろやめてあげてください。そのままだとスンの頭がなくなってしまいますよ。」

 かぐやの後ろから優しい声がする。

「あぅ……。涼ちゃ〜ん!」

 涼太がにこやかに立っていたのであった。
 一寸が涼太に半べそ状態で抱きつく。
 ……これでも、同い年である。

「相変わらず、乱暴ですね〜、かぐやは。」

 涼太は一寸を抱き上げると先ほどの笑顔を崩さずに言った。

「お前が甘すぎるんだ。それと、あいつ……。桃太郎だっけか?なんかしらんが私を見て泣きそうな顔をしているんだが。」

「桃太郎が?……ああ、姫から聞いていますよ。かぐやが何かしたんじゃありませんか?」

 涼太は一寸を椅子に座らせ、自分も座る。そして、さりげなくかぐやに椅子を勧める。
 かぐやはそれに素直に従う。

「桃太郎。私が何をしたんだ?言ってくれなくては分からん。」

 かぐやは背もたれに寄りかかり言った。

「埋めるぞ。っていわれた……。」

 「埋めるぞ。」の部分を少しかぐやに似せて言った。最後のほうはものすごく落ち込んでいたが。

「なんだ、そんなことか。本気だったら今頃お前はこの世にいないぞ。」

 次の瞬間、桃太郎の顔が一気に輝いた。

「ほ、ホント!?わあ〜い!よっしゃ!涼!おやつだあ〜!」

「はいはい。」

 テンションが上がりきった桃太郎言われ、涼太は冷蔵庫をあける。

「こいつ……。よくわからんな。」

 白雪の横でかぐやはつぶやいた。

「桃はね、純粋なのよ。他人の言葉を信じやすいの。」

 白雪はほおずえをつき、楽しそうな桃太郎を見て言った。

「じゃあ、私が洗脳すれば変態にもなり」

「変な調教するんじゃないのっ!あんたまでボケなのっ!?」

 プチコントが出来上がったことに感動。
 白雪はやけ酒ならぬ、やけ水を飲んだ。一気に。

「わあ〜。雪ねえ、いい飲みっぷり〜。」

 一寸が小さな手でパチパチと拍手をする。

「……窓の……外……。誰か……いる……。」

 今まで簡易ベッドで寝ていた姫がぽそっと言った。
 この部活の者たちは、姫のこの喋りに慣れているため全員が反応した。
 かぐやはなぜか聞こえたようだ。

「え?ここは三階よ?そんなわけないでしょ。」

 と言いながら、念のため窓の外をのぞく。
 すると、そこには屈強な老人が窓の枠にぶら下がっていた。
 ……屈強な老人という言葉自体、矛盾をおこしているのだが。

「ちょ、ちょっと。そこでなにを……。」

 と白雪がここまで言うとこの老人は白雪の手首をガッとつかんだ。

「えええええっ!?なな、なにするんですかっ!」

「おおおお嬢さん!うちのお嬢を知りませぬかっ!」

 とか言いながら、さりげなく部屋の中に入ってきた。
 白雪は驚きすぎて声が出ないようだ。
 この老人は、部屋を見渡すと突然、

「お嬢!こんなところにいらっしゃいましたか!」

 と、しかめっ面のかぐやに言った。

「神埼。てめえ、ここで何してる。」

「何してる、と言われましても……。お嬢を探しに参った次第でございます。」

 と、神埼はかぐやの足元にひざまずいた。

「やめろ。お前が来ると目立つ。」

「そんなわけには……。」

「どこの世界にお前みたいな屈強なじいさんがいるんだよ。ただでさえキャラが濃いんだから、家から出るな。それか沼に沈んでこい。」

 いつもの冷たい声のトーンで言う。視線は氷のようだ。
 しかし、神埼はめげない。

「この神埼!お嬢が幼いころからお世話をしてまいりました!今ここで、引きさがってしまったら……。一生の恥でございます!」

 と、ドラマのようなセリフを言う神崎。
 それを−90度くらいの視線で見ているかぐや。
 この気まずい状況を打破したのは、やはりこいつであった。

「まあまあ。いいじゃありませんか。神崎さん、どうぞこちらへ。桃太郎は紅茶を淹れて差し上げてください。」

「うい〜す。」

 素直に応じる桃太郎。
 神崎も涼太の落ちついた態度を見て正気になったようだった。

「で、どうなさるんですか?かぐやは。」

 涼太は椅子に座ると最初に問う。

「おまえ……。最初から知ってたのか。」

 かぐやはため息をついた。

「ちょっと、どういうこと?二人だけで進めないでよ。」

 白雪は、二人の話を止め、言った。

「かぐやは、香崎組の次期組長なんですよ。」

「ええっ!?かぐや、そんなかっこいい感じだったのか!」

 桃太郎が驚きの声を上げる。

「かっこいい感じってどんな感じよ。」

白雪が低いトーンで突っ込む。

「で、私がノリで家は継がないと言ったら、こいつ……追ってきやがった……。」

 かぐやは神崎を睨みつける。
 神埼は肩をすくめた。

「恥ずかしながら……。私はお嬢との時間が自分の家族といる時間より長かったもので……。つい一生懸命になってしまって……。お恥ずかしいです。」

 と、大きな手で頭をかく。落ち着いてきたようだ。

「でもさあ、そんだけかぐやのことを大切に思ってるってことだよな?すっごい幸せじゃん!かぐやって!」

 と、屈託のない笑顔で桃太郎は言った。

「まあ、そうなるわよね。いいこと言うじゃない。桃。」

 その場が少しだけなごんだ。
 しかし、少し考えてもらいたい。ここはあの「おとぎ高校のんびり部」である。このままの幸せムード全開で終わるはずもなく。

「神……崎さん……。これ……。落とし……た……?」

 姫がなにやら丸い物体を持ってきた。

「いえ……。私のものではありませんが……。」

「じゃあ〜、誰のなの〜?」

 一寸のこの問いに皆が考え込んだ。

「あの……。皆……。」

 姫の問いにもそこの皆は考え込んでいて気付かない。

「ここに……フランス……語……で……植物……凶暴化……って書いて……ある……。」

 このとんでもない発言に少し遅れて反応したのは、やはり白雪であった。

「フランスの!?それって、社会問題になってる超危ないやつよ!ちょっと、皆!終わり!考えるの終わり!少ない脳みそでお疲れさまでした!」

 白雪のこの叫びでそこにいた皆が我に返った。

「どうしたんだよ、白雪〜。」

 桃太郎がのんきにお菓子を食べている。

「てか、そんなことしてる場合じゃないのよ!早く逃げるわよ!姫、それ置いて!」

「無理。」

 姫が珍しくはっきりと喋った。
 『姫ってはっきり喋れるんだ…。』
 そこにいた全員がそう心の中でつぶやいた。

「てか、何で無理なのよ!」

「……もう、出てる……。」

 姫が視線を送る先には、既に姫の制服のスカートにまとわりついている植物のつたがあった。

「えええええっ!ど、どうするのよ!」

「……どうしようも……ないよ……。」

「落ちつきすぎだから!」

 白雪はそのつたをはぎ取ろうとしながら大声で言った。
 その時、すごい音がした。
 まるで、壁が破壊されたような音であった。
 
「なんだあ〜?」

 さすがに焦った桃太郎が音のするほうへ視線を送ると、そこには……。

「つたですね。」

「だから!落ちつきすぎなのよ!あんたたち!」

 あっさりと言う涼太に白雪は突っ込んだ。

「なんか、こっち来るよお〜?」

 一寸の言うとおり、徐々にスピードを上げてつたがこっちへ向かってくる。
 そして、案の定。
 3分後。

「……ん……。あれ?ええっ!?ちょちょちょっと!みんな!起きて!」

 白雪が目を覚まし、皆を起こす。

「なんだよお〜。」

「どうしたのお〜?雪ねえ。」

「生きてますね、僕ら。」

「……おはよ……。」

「死んだかと思ったぞ。」

「お嬢!大丈夫ですか!」

 と、皆無事なようだ。

「って、のんきに生存確認してる場合じゃないのよ!
皆、よ〜く聞いて。ここはね……。」

 白雪は一旦話を区切ると、

「ここは、地球じゃないわ!」

 すると、そこにいた皆がこくん。とうなずいた。

「えっ!?驚かないの!?」

「だって、あそこにいるの、俺の友達の宇宙人だぜ。最近仲良くなったんだ〜。」

 桃太郎はニコニコしながら言った。
 他の皆もうんうん。とうなずく。

「あんたらはそれでも人間かああああああああっ!!」

 白雪の雄たけびが宇宙全体に広がっていったとさ。

第4話完☆