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Re: おとぎ高校 のんびり部 ( No.40 )
日時: 2011/06/23 20:54
名前: ハナビ ◆257RLJJlG. (ID: j.y7OH4U)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

久しぶりの更新!(ο>ω<ο)
永ちゃんの曲を聴きながらの更新です。



番外編・鬼山桃太郎の日常(no.2)

「桃にぃ、パパ!ごはんだよお〜。」

 と、二人の視線のはるか下から聞こえてきた声の主は……

「おう、今行くぞ。マサ。」

 と桃太郎が言うと、嬉しそうにうなずいた。
 この少年、桃太郎の弟の鬼山雅気という。よって、「マサ」なのである。

「マサ、いつの間に入ってきたんだ?」

 と桃太郎父が尋ねると、

「さっき!こうにぃの後ろにいたんだよ!」

 と桃太郎父に抱きつきながら言った。

「おお、そうかそうか。さ、行くぞ、桃太郎、マサ。」

 と桃太郎父は雅気を抱き上げ、言った。


 キッチンでは、桃太郎の母が朝ご飯を作っている。

「飯だ!飯だっ。母さ〜ん!まだかあ〜?」

 桃太郎は既に座っている光河の前に座り桃太郎母に言った。

「今できたの。持っていくから、あなた。手伝ってくれる?」

「もちろん!唯美の頼みならなんでも聞くぞ!」

 と桃太郎父は上機嫌で唯美、桃太郎母がいるキッチンに入って行った。
 桃太郎母は、「超」がつくほどの美人である。
街を歩けばだれもが振り返り、微笑めば誰もが照れずにはいられないと言われているほどの美人なのである。
 その唯美の心を射止めたのは、紛れもなく桃太郎父であった。
 そして、現在にいたる。
 今でもラブラブなのだ。

「こうにぃ、おはよ!」

 光河の隣に座った雅気はかわいらしく微笑んだ。
笑い方は母親譲りなのだろう。

「ああ。おはよう、マサ。」

 光河は雅気の頭を優しくなでた。

「お前ら、飯だぞ!朝飯はたっくさん食え!」

 桃太郎父は、そういうと両手に持っていた大きな鍋のフタを開けた。
 そこには……

「やっほ〜い!ケーキだあ!」

「マサ、ケーキだあいすき!」

「こらこらこら。」

 光河が盛り上がる二人の会話を中断した。

「どうしたの、光河。」

 キッチンから出てきた唯美が不思議そうな顔をして言った。

「どうしたの。じゃねえよ!何で朝からそんな甘ったるいモン食わなきゃなんねえんだよ!胸やけ起こるわ!」

 と不満をぶちまけた。

「朝は甘いものだろ〜。なあ、唯美?」

「ええ。頭の活性化につながるのよ。光河も文句言わないで食べなさい。」

 と作った本人はまったく気に留めていないようであった。

 なぜ光河は鬼山家では恒例となっている、「朝ケーキ」に馴染みが無いか。それは、光河が昨日まで単身赴任で海外に行っていたためである。
 新入社員の時に、腕のよさを認められてのことであった。
 その間に、元から甘党が多い鬼山家では「朝ケーキ」が定着したのであった。

「い・や・だ!味覚が変なんだよ!あんたらは!太るぞ!」

 拒否し続ける光河は、腕を組み、椅子にふんぞり返った。

「平気だよ〜。俺とオヤジはボクシングしてるし、母さんとマサは太りにくい体質だしさ。こうにぃもそうなんじゃないの?」

 桃太郎は、我慢できなくなったようで、桃太郎父の持っている鍋からケーキをつまみ始めた。

「あ、マサも食べる〜!」

 桃太郎が食べているのを見た雅気は自分も食べようと桃太郎のところに寄って行った。