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Re: おとぎ高校 のんびり部 ( No.41 )
日時: 2011/06/23 20:56
名前: ハナビ ◆257RLJJlG. (ID: j.y7OH4U)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

番外編・鬼山桃太郎の日常(no.3)


「マサ、やめとけ。太るぞ。」

 と、雅気の首根っこをつかんでやめさせた。

「マサ、お腹すいたよお〜。」

 雅気は精一杯暴れるが、大人の力にかなうはずがない。
 しまいには泣き出してしまった。

「光河!弟を泣かせたら駄目でしょう!!」

 さすがの唯美も光河を叱る。
 光河から雅気を取り上げ、抱き上げ、あやし始めた。

「光にぃはガキだなあ。」

「うるせーよ。その年で甘いモンばっかり食ってるやつに言われたかねーよ。」

 光河は、ムスッとした態度で椅子にふんぞり返った。

「だってガキじゃん。こういうときに妥協できるのが真の大人なんだよ。」

 桃太郎は、ケーキをむさぼりながら言った。
 時折、「うめえ」とか言いながらガッついている。

「おい、桃太郎。そういうかっこいいこと言うんだったら、その可愛いモン食うのやめろ。」

 と、鋭く突っ込んだ。

「マサも食べたいよお。桃にぃ。」

 先ほどまで泣き続けていた雅気が何事もなかったかのように桃太郎のケーキをつまむ。

「はあ。それしかねえんだよな?母さん。」

 光河は頭に指先を添えて眉間にしわを寄せ、唯美を見ることなく言った。

「ええ。それしかないわよ。」

 と唯美はきれいな笑顔で言ってのける。
 反抗できないような、なんともいえないオーラを感じる。

「……。わかったよ。食えばいいんだろ?食えば。」

 光河は渋々目の前にあったフォークを手にする。
 しかし、気が進まないようで渋い顔をしている。

「よし、男になったな、光河!!それでこそ父さんの子だ!!」

 桃太郎の父は嬉しそうに、豪快に笑い声を上げる。
 その時、唯美がキッチンからなにやら持って出てきた。

「皆、プリンもあるのよ。」

 桃太郎、雅気、桃太郎父は、テンションが上がりきり、嬉しそうだ。
 それを、冷静に見ていた光河は、ポツリと、こうつぶやいた。

「ここは間違いなくお菓子の国だな。」

完☆